「Q.都合が悪くなると逃げる『元夫』にどうやって滞納する『養育費』を支払わせられますか? Q.私の浮気が夫にバレて離婚しますが、8歳の娘の親権はもらえますか?」
法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」を運営する弁護士ドットコム(東京都港区)が7月29日、女性向けコンテンツ「弁護士ドットコムライフ」をオープンした。冒頭のような女性特有の相談内容を質問に掲げ、専門の弁護士の解説を掲載する。
弁護士ドットコムは、弁護士と相談者や依頼者をつなぐマッチングサイトで、専門ジャンルやエリアなどから弁護士を探せる「弁護士検索」、無料で法律相談ができるQ&A「みんなの法律相談」、話題の出来事を法的観点から解説するニュースサイト「弁護士ドットコムニュース」の3つを提供している。今すぐ弁護士に依頼したい人には検索、問題の解決策を知りたい人には法律相談コーナー、そして現在は問題を抱えていないが、やがて必要になった際に弁護士ドットコムの存在を想起してもらうためにニュースコンテンツ、という具合に対象者を想定して、それぞれのサービスを運営してきた。
ニュースサイトの訪問者数は2年前の3倍に
弁護士ドットコムニュースは月150本もの記事を配信し、Yahoo!ニュースなどニュースポータルにも記事提供することで、利用者を増やしてきた。今年4月の訪問者数は2年前の3倍増の560万人に上り、弁護士ドットコムの認知度を向上させた立役者と言える。
そんなニュースサイトにも課題があった。ニュースを見に来た人の大半は、弁護士検索や法律相談コーナーに立ち寄らず直帰してしまう。問題が顕在化していない人が対象とはいえ、サイト全体の認知度が高まったステージに入ったことで、来訪者を実サービスに誘導していくことも求められるようになった。

だがニュース閲覧者と、弁護士検索・法律相談利用者にはややズレがあった。同ニュースサイトは、世の中で起きた事件・事故、トラブルを題材に、責任の所在や補償、賠償などについて解説しているため、事件・事故のニュースに関心が高い男性が、読者の7割を占めていた。一方、弁護士検索や法律相談は女性の利用が多く、離婚相談などにビューが集まっていた。実際の法律相談案件でも、離婚などの男女トラブルが占める件数はトップクラスだという。
ところが、ニュースサイトは時事ネタを基に法律の解説をするため、例えば有名芸能人が離婚するといった出来事が起こらないと、離婚関連の記事を増やせない。その解決策として、法律相談への橋渡し役を果たす女性向け新コンテンツ「弁護士ドットコムライフ」を投入した。記事下に当該記事と関連性の高い法律相談コーナーの内容を掲載し、ライフ閲覧者の誘導を目指す。
読売新聞社「YOMIURI ONLINE」の人気コーナー「大手小町」内の「小町の法律相談」に寄せられた質問にも、週1ペースで回答を配信することで、女性への認知を高めていく。ライフを担当する弁護士ドットコムニュース記者の山口紗貴子氏は、「イラストや図解・図説を交えて、分かりやすいお悩み解決コンテンツを月10~20本ペースで配信していく」と意気込みを語る。