転職情報サービスのエン・ジャパンは7月1日、スマートニュース(東京都渋谷区)が提供するスマートフォン向けニュースアプリ「SmartNews」上で、転職に関するニュースをキュレーションして配信する「キャリア」チャンネルの提供を始めた。エン・ジャパンでは、チャンネルのページビュー(PV)と、チャンネル経由のエン・ジャパンのWebサイトへの流入数を効果指標として設定。今のところ目標数値の1.2倍で推移しており、順調な滑りだしを見せているという。7月末からは、SmartNews経由の訪問者を対象に、リターゲティング広告を配信するなどして、会員獲得への貢献度を計測していく。

 エン・ジャパンがSmartNews上でチャンネル提供するのは、様々な媒体で転職に関する情報提供をサポートするというブランディングと、提供する媒体経由でサイト訪問者を集めることで、リターゲティング広告を配信する見込み客のプールを作るリード獲得という両面の狙いがある。

7月1日からエン・ジャパンがSmartNewsに提供し始めた「キャリア」チャンネル
7月1日からエン・ジャパンがSmartNewsに提供し始めた「キャリア」チャンネル

 同社はこれまでも、ソーシャルニュースサイト「ハフィントンポスト」上で「キャリア」カテゴリーを2014年から提供。ハフィントンポスト経由で獲得した訪問者に対して、リターゲティング広告を配信し、会員を獲得するといった施策に取り組んできた。ただそうした取り組みはこれまでパソコン向けサイトが中心で、スマートフォンへの対応は後手に回っていた。

 というのも、媒体や広告経由で集客したとしても、受け皿となるオウンドメディアが、スマートフォンに対応し切れていたとは言い難かったからだ。エン・ジャパンの主力サービスである転職サイト「エン転職」の訪問者は、2014年初頭の時点でスマートフォン経由が過半になっていたにもかかわらず、会員登録フォームなどのスマートフォン最適化が不十分だった。そのため、スマートフォン経由で獲得した会員は、レジュメなどの情報登録が進まないという課題があった。そこで、昨年8月にエン転職を刷新してスマートフォン向けサイトのUIを改善。これにより、きちんと情報を登録してもらえるようになった。

競合発信も含めて情報を提供

 このサイトのUIの改善を機に、SmartNewsにインフィード広告を配信し始めるなど、スマートフォン経由の集客に取り組んできた。その次の施策として、取り組み始めたのが、今回のチャンネルの提供だ。広告主企業提供のチャンネルはSmartNewsではこれまで前例のない取り組みだが、「スマートニュースが5月に開設した『読書』チャンネルがわずか2週間で10万人の登録者を獲得したことから、キャリアに関するチャンネルを提供すれば集客効果が期待できる」(デジタルプロダクト開発本部プロモーショングループの田中奏真マネージャー)と可能性を感じて開設を決めた。

 キャリアチャンネルでは、画面上部の広告配信枠に常時エン・ジャパンの広告を表示する。ただし、媒体として中立的な立場を崩さないために、配信されるニュースの選定は媒体側に委ねられる。当然、ニュースの中には、競合発信のものも含まれるが、「広告主側で情報を絞っては、チャンネル自体の有益性が下がり、結果的には使われなくなる。利用者にとって必要な情報を届けることで、結果的にエン・ジャパンの利用者拡大につながるはずだ」と田中氏は言う。

 また、キャリアチャンネル経由で集客した訪問者をリスト化し、エン・ジャパン上のアクセスログに基づいて最適な広告をリターゲティング広告として配信するといった、従来パソコン向けで取り組んできた。会員獲得施策にも7月末から取り組む。そうして、「会員への転換率も含めて、ROI(投下資本利益率)を見極めていく」(田中氏)考えだ。