スマートフォンアプリと連動した自動販売機で飲料を購入するとアプリにスタンプが貯まり、15個そろうと好きな商品1本と無料で交換できるドリンクチケットを獲得できる──。
本日4月8日から、日本コカ・コーラはスマホアプリ、並びにアプリと連動した「スマホ自販機」を導入し、スタンプ施策を開始する。専用アプリをインストール済みのユーザーが、対応自販機の投入金額表示部にアプリを起動したスマホを近づけると、Bluetoothでスマホと自販機が接続され、購入と同時にスマホが振動してアプリにスタンプが貯まる。15本購入して15個のスタンプが貯まると1本無料となるドリンクチケットを入手できる仕組みだ。
ドリンクチケットを使う際は、スマホと自販機をつないだ状態でアプリ上に示されたチケットをタップする。自販機に在庫がある飲料がアプリに一覧表示され、欲しい飲料を選択して自販機に向けてスワイプするだけで、自販機に触れることなく選んだ飲料が取り出し口に出てくる。
2016年内に新自販機14万台の設置を目指す
アプリは2016年末までに200万ダウンロードを目標とし、6月30日までにダウンロードしたユーザーにはスタンプを5個プレゼントすることでダウンロードを促す。また、スマホ対応自販機は当初、全国50カ所の主要地域に優先的に設置し、2016年内に14万台の設置を目指す。ちなみに全国のコカ・コーラブランドの自販機設置台数は約100万台。アプリには現在地に近い対応自販機の設置場所を検索できる機能もある。今後4~5年かけて大半の自販機を新自販機に切り替えていく予定だ。
日本コカ・コーラは、スマホと自販機が連携するこの仕組みを新デジタルマーケティングプラットフォーム「Coke ON」と名付け、スタンプ施策にとどまらず、マーケティングに活用していく。例えば、特定エリアで最高気温が30度を超えた日に、スポーツ飲料のドリンクチケットを配信するといった緻密な商品サンプリングを、自社で低コストで実施することができる。またチケットを利用したユーザーのリピート購入や購入商品の傾向などを把握してマーケティングに生かしていくことも考えている。
プロジェクトを率いる同社マーケティング本部 IMC iマーケティング統括部長の豊浦洋祐氏は、「Coke ONは、2007年の『コカ・コーラパーク』開設、2012年のブランド専用SNSアカウント開設に続く、日本コカ・コーラのデジタルマーケティング3.0」と位置付ける。SNSの拡散性を味方につけるコミュニケーション中心の取り組みから、スマホと自販機というデジタルとリアルの組み合わせで、より直接的に売り上げに貢献する仕組みづくりに踏み込んだ格好だ。