衣料品や雑貨販売を主力とするセレクトショップ大手のビームス(東京都渋谷区)が、スマートフォン向け公式アプリ「WeBEAMS」を使ったリアル店舗への送客というO2O(オンラインtoオフライン)施策で、成果を上げつつある。

 昨年7月に公式アプリをリリースし、「1年で約40万ダウンロードという目標にはまだ到達していない」(事業企画本部CRM推進部課長の山崎勇一氏)ものの、ダウンロード数は順調に増加している。この半年ほどの実績を見ると、アプリをダウンロードしたユーザーは、そうでないユーザーと比べて購入単価が約2倍に達し、同社の収益増に貢献している。

 また、何度も店舗を訪れるアクティブな会員の増加にも、アプリは役立っている。ビームスでは、年に2回以上店舗で購入した会員をアクティブ会員と定義し、全会員に占めるアクティブ会員比率の向上を目指している。そして実際、「アプリのリリース後、EC(電子商取引)サイトのリニューアルなど他の要因もあるが、アクティブ会員比率は5ポイントほど上昇した」(山崎氏)という。

プル型とプッシュ通知とを活用

 これは、ユーザーが自らアプリを閲覧するプル型の情報配信と、アプリならではのプッシュ通知を組み合わせ、「会員登録したお客様にアプリ経由で最適の情報を届けてビームスのファンを増やし、来店を促す」(山崎氏)施策が奏功したからだ。

アプリ「WeBEAMS」を使い、プッシュ通知(左)とフィード画面(右)でユーザーに情報を届ける
アプリ「WeBEAMS」を使い、プッシュ通知(左)とフィード画面(右)でユーザーに情報を届ける
アプリ「WeBEAMS」を使い、プッシュ通知(左)とフィード画面(右)でユーザーに情報を届ける

 アプリユーザーはまず、男性用か女性用か、よりカジュアルな商品かよりフォーマルな商品かなどの項目の中から興味のあるアイテムやニュースを選ぶ。この選択に従って、トレンド情報や商品情報がアプリのフィード画面に表示される。併せて自分の行きつけのリアル店舗を指定すれば、店からのセール情報などもアプリに表示される。

 さらに、これらプル型の情報配信に加え、ユーザーが最後に購入した店と商品の情報に基づき、「興味がある」と想定できる情報をアプリにプッシュ通知する。最後に、ビーコン機能を使って来店を検知するたびに、購入に付与するポイントとは別に、アプリ内でバッジを付与するチェックイン機能が、ユーザーの来店を後押しするという仕組みだ。

 今後は「アプリのダウンロード数を増やして早期に目標を達成し、かつアプリがアクティブに利用され続ける」(山崎氏)ことを目指す。さらに今年夏までには、現在、メール配信に利用しているMA(マーケティングオートメーション)ツールに、アプリの会員データも組み合わせ、「メールでのアプローチとアプリのプッシュ通知によるアプローチを統合的に扱い、それぞれの会員に効果的なプッシュ型マーケティングを、MAツールを使って実施できるようにする予定」(山崎氏)だ。