「七夕の彦星と織姫星は夏の大三角を形成している。夏の大三角を形成していない星を、次の中から選べ。A.アンタレス B.アルタイル C.ベガ D.デネブ」──。通信教育大手のZ会(静岡県長泉町)は2月19日から3月末まで、全国のセブン‐イレブン・ジャパン店舗と連動したイベント「Z会監修 全国高校対抗 超良問ドリル」を開催している。

達成感を得られる程良いレベル感で参加者を増やした「超良問ドリル」
達成感を得られる程良いレベル感で参加者を増やした「超良問ドリル」
達成感を得られる程良いレベル感で参加者を増やした「超良問ドリル」

 スマートフォンを持っていれば誰でも参加できるが、主な対象は現役の高校1~2年生。参加者は超良問ドリルのスマートフォンサイトにアクセスしてハンドル名と在籍(卒業)校を登録し、1問2分以内の回答時間制限のある出題に5問連続で正解すると、大塚製薬「カロリーメイト」(2本入り)の引換クーポンが表示される(発券は最初に5問連続正解した時のみ)。これをセブン-イレブン店頭で引き換える流れだ。

学ぶ楽しさを知るきっかけに

 3~4月から進級学年の講座が開講する通信教育事業者にとって、2~3月はブランド露出を高めて入会のきっかけにつなげたい時期だ。2018年プロモーションの検討を始めたころ、セブン-イレブンとの間で「何か学習企画で面白いことができたら」との話が持ち上がり、昨年秋から準備に着手した。ドリルを解いてクリアすると景品がもらえる設計を企画し、高校生に喜ばれる景品を考えて大塚製薬に協力を打診したところ、快諾を得た。カロリーメイトはこの時期、「受験生応援」をテーマにエモーショナルなCMをオンエアしていて、ブランドとしても手頃な景品としても相性が良かった。

 Z会中高事業部プロモーション課の柳恵里子氏は、「難しすぎず易しすぎないレベル感の出題を5教科で用意し、学ぶ楽しさを知るきっかけづくりを目指した」と語る。「どれほど参加してくれるか不安もあった」(柳氏)が、ふたを開けてみれば先着6万人のクーポンを1週間で配り終える勢いで、参加者数は開始約3週間で10万人を突破する盛況ぶりだった。

 成功の要因として、高校別のランキング表示がありそうだ。3月13日時点の1位は早稲田高校で2147人が参加しており、“学校ぐるみ”にOBも加勢して全国首位を目指している様子がうかがえる。一方で、愛工大名電や福岡大附属大濠、常総学院といった甲子園の常連校も上位に入る興味深いランキングになっている。

 Z会は2014年と2015年に「超難問コロシアム」というイベントを開催し、ニコニコ動画で中継もした。盛況企画だが決勝に駒を進めるのは筑波大学附属駒場や東大寺学園といった顔ぶれ。今回は全国展開するセブン-イレブンとタッグを組むことで、学ぶ意欲のすそ野を広げる意味があったと言えそうだ。

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