2017年の訪日外国人数は2869万人と過去最高を記録した。一方2020年に政府が目指す訪日外国人数は4000万人。これだけの訪日客を集めるには、日本が好きで何度も訪れてくれるファン作りが欠かせない。

 全日空商事とデジタルガレージはそうした背景から、ANAグループが保有する訪日外国人との接点を活用。訪日外国人が日本の商品を購入したくなる環境構築を支援する「ANASELECT 訪日外国人向けプロモーションパッケージ」の提供を1月18日から始めた。

一貫したブランディングが可能

 「広告主のブランディングに役立つ、顧客動線に則ったマーケティングソリューションという位置付けだ」と全日空商事デジタルマーケティングカンパニー事業推進部事業開発チーム(インバウンド)の藤井伸行氏は説明する。旅前から旅中、旅後までの訪日旅行のカスタマージャーニーに対して、オンラインおよびオフラインを使ってブランドの認知向上につながる一貫したメッセージを届けることができる。

 第一号の広告主はあるメーカーで、1月15日から3月31日までの春節時、訪日中国人を対象にこのソリューションを利用した。同社のブランド認知向上と購買促進を目的とするキャンペーン特設ページ「ANA Experience Japan」を設置。旅前の施策としてWeiboやWeChatの公式アカウント、日本に興味関心を持つフォロワーを抱えた十数人の中国人インフルエンサーによる拡散施策を実施した。

 機内でもキャンペーン認知・理解のため、機内誌「WING SPAN」および機内動画で広告主企業のブランドをANASELECTという形で紹介した。「あくまでANAがお勧めするブランドという体裁を採った」(藤井氏)。

 機内で流された広告動画は、Weiboでも拡散され、1000万人が視聴。再生回数は200万回を越え、コメントも2000件付いた。

全日空グループの持つさまざまなリソースを活用
全日空グループの持つさまざまなリソースを活用

 さらに旅中施策として口コミサイト「大衆点評」、さらにALIPAYアプリにバナー広告を出してキャンペーンページへ誘導した。

 オフラインの施策としては、都内100箇所のホテルにリーフレット「ANA Experience Japan」を配布。リーフレットでもキャンペーンページでも、商品の説明とともに商品がどこで購入できるかなどを紹介。販売店にはポップを掲げるなどして、購入者が迷わない工夫をした。

 そして旅後施策としては、旅前の機内施策と同様に、機内誌や機内動画で認知・理解を促すことに加え、リピート、ファン化につなげるため、インフルエンサーによって商品が買える越境EC(電子商取引)「ANA CARGO DIRECT」を紹介した。

 3月半ば時点でも、このキャンペーンが継続中のため、どの媒体、どの施策が認知向上にどの程度の効果があったのか、といった詳細な結果測定はできていない。しかし既に、「次回のキャンペーン時にはぜひ参画したいというメーカーからの声が届いている」と藤井氏は手応えを語る。

 こうしたことから全日空商事は夏休み期間に、第二弾のキャンペーンを実施する予定だ。今後は台湾・香港、さらに地方自治体からのニーズの高い欧米、オーストラリアの訪日外国人向けのサービス提供を計画している。