リスティング広告の自動入札ツール「ADFUNE(アドフネ)」を提供するマーケティング支援会社Shirofune(東京都港区)が、運用型広告のオペレーションを“半自動化”した広告運用ツール「Shirofune(シロフネ)」の提供を3月1日から始めた。

 入札前の広告出稿や編集の管理、出稿後の改善といった機能をADFUNEに追加し、リスティング広告だけでなく、GoogleやYahoo!といったメディアへの広告出稿などにも対応。クラウドに接続して使うダッシュボードなどのユーザーインターフェースも一新した。「このツールがあれば、ほぼすべての運用型広告について、簡単な操作で経験豊富なプロに近いオぺレーションができるようになる」とShirofuneの菊池満長代表取締役は胸を張る。

 自社によるオンライン直販をメーンに、販売代理店も活用しながら、主に広告主企業に販売することを目指す。同時に広告代理店にも導入を働きかけることで、広告代理店の顧客である広告主の利用も増やしていく考え。3~4年後に国内ユーザー企業数10万を目標に据えている。

ユーザーと対話しながら施策を進める

 新たに提供するShirofuneの特徴は、Shirofune が「エージェント機能」と呼ぶ対話機能にある。ユーザー企業の担当者は、広告のクリック、資料請求ボタンを押すなどの何らかのコンバージョン(成約)、EC(電子商取引)サイトなどの売り上げという3つのKPI(重要業績評価指標)から1つを選び、次いで投入する広告の予算金額を指定して、運用型広告の施策を組み立てていく。

ダッシュボードに表示したツールからの「改善提案」の例
ダッシュボードに表示したツールからの「改善提案」の例

 判断が重要になる分岐点では、目的に合わせて最適な広告施策になるように、ダッシュボード上でユーザーに尋ねる。例えば、リスティング広告を出稿する際のキーワードを選ぶ場合、ツールによる自動調整でよいか、自分でワードを選定するかを尋ね、ユーザーが後者を指定したら候補のキーワードを示すといった具合だ。それまでに進めてきた運用のどこを改善すべきか、日々ツールがポイントを挙げて示唆する。ツールを使うユーザー企業の担当者は、ツールと対話を進めながら、“半自動”的に運用型広告のオペレーションを進められる。

 このツールにAI(人工知能)は使わず、運用型広告を実際に約7年オペレーションしたShirofuneスタッフの経験から得られた知見を対話形式で生かす形を取っている。「データを分かりやすく可視化したり、データに基づくレコメンドをしたりするだけでなく、ツールのユーザーにアクションを促すような製品を目指した」と菊池氏は言う。

 Shirofuneがこのツールを開発した背景には、運用型広告を巡る環境の激変がある。ここ数年で、Webサイトだけでなくスマートフォン向けアプリやソーシャルメディアなど広告媒体が急増し、クリエイティブのフォーマットも多様化した。そんな中、出稿した広告がもたらす成果を日々チェックしながら改善を重ね、さらにレポートを作成するという運用型広告に特有の業務が急速に膨れ上がってきた。そこで、この業務量を軽減し、広告主企業や広告代理店の担当者の時間を、より付加価値の高いマーケティング活動に振り向けるため、このツールを開発したのだ。

 利用料金は月額1980円またはツールを使って出稿した広告料金の5%から。広告主企業だけでなく、運用型広告を手掛ける大手広告代理店も既に導入を検討している。

■修正履歴
Shirofuneより、取材時に伝えた内容が違っていたと申し出があり、Shirofuneが現在、対応しているメディアの種類を修正しました。[2018/3/9 21:35]