Pinterestというと、5年ほど前に楽天の出資などで注目されたものの、直後に急成長したInstagramに画像共有ジャンルの話題を持っていかれた──。そんなイメージのままの人も少なくないだろう。

 実際は国内でも着々とユーザー数を伸ばし、成長を続けている。そしてFacebookやTwitter、InstagramといったSNSとは異なる性質が、マーケティング思考を活性化するうえで役に立つのだ。

 ソーシャルメディアマーケティング支援のトライバルメディアハウス(東京都中央区)は2017年12月、Pinterestを運営する日本法人、ピンタレスト・ジャパンと協働でプロジェクトを進めることを発表した。

 企業と「アイデア発見・共創型ワークショップ」を開催し、その場でPinterestを活用する。以前、貝印とワークショップを開催した実績があり、Pinterestのグループボードを用いてギフトのアイデア集めをした。関連する素材を次々とピンして集め、議論しているうちに、ひらめきやアイデアが降りてくるような感覚を持てるのがPinterestの魅力だ。

 エイチ・アイ・エスもPinterestを活用している一社。Pinterestを活用した旅のプランニング講座を開催したこともある。行きたい場所や食べたいものなどのイメージをあらかじめ集めておくことで、旅行プランは充実したものになる。

 Pinterestプロジェクトを進めるトライバルメディアハウスのチーフコミュニケーションデザイナー高橋遼氏は、「PinterestはSNSというより、未来のアイデアを発見し、実現するためのツール」と語る。マーケティング部門だけでなく、エイチ・アイ・エスようにファン度の高い顧客を巻き込んだ共創プロジェクトでも利用できそうだ。