2017年に出稿されたパソコン(PC)向け動画広告(インストリーム広告)の推定出稿量を広告主別にランキングしたところ、最も多かったのはアマゾンジャパン──。

 ビデオリサーチインタラクティブ(VRI、東京都千代田区)は1月25日、2017年の動画広告出稿状況について調査した結果を発表した。2位は日産自動車。以下、3位にNetflix、4位にスポーツ動画配信サービス「DAZN」の運営元であるPerform Investment Japanと動画配信事業者が続いている。

表 動画広告、ディスプレイ広告の出稿状況
表 動画広告、ディスプレイ広告の出稿状況

 アマゾンが2017年にYouTubeで配信して話題になったのは、同社の有料会員制プログラム「Amazonプライム」の動画広告「Motorbike篇」だった。内容は次の通り。

 「近くまで行くならおばあちゃんのところに寄ってあげて」と母親からメッセージを受信し、バイクで祖母宅に立ち寄った息子。他界した祖父のバイクは倉庫の奥でほこりをかぶり、居間のフォトフレームにはヘルメットを抱えて微笑む若き日の二人の写真があった。そこで息子はAmazonでヘルメットを注文。ダンボールを開けて驚いた祖母を後ろに乗せ、ツーリングを楽しむ。

 そんな“泣かせる”動画が、出稿をきっかけにシェアされ、90秒バージョンと60秒バージョンを合わせて1600万回以上再生された。この動画は「プライム敬老の日」キャンペーンの一環で、Amazonプライム非会員でも祖父・祖母との思い出やエピソードを投稿・応募できる内容だった。Amazonプライムは2017年6月から、年会費3900円のプランに加えて月々400円の月払い制を導入し、会員獲得の施策を展開している。

 アマゾンとYouTubeを運営するグーグルをめぐっては、AIスピーカー「Amazonエコー」の競合品である「Google Home」をアマゾンが取り扱わないといういざこざが起きているが、動画広告については双方にメリットがあるようだ。

2017年はPC動画広告出稿企業が前年比24.4%増に

 2017年にPC動画広告を出稿した広告主数は2330社で、1873社だった前年から24.4%増加した。2330社の半数を超える1278社は、2016年に動画広告を出稿していなかった。また、全体の出稿量に占める上位20社のシェアは18.8%で、昨年の27.6%から減少している。動画広告デビューを果たした企業がそれだけ多く、今後もすそ野は広がりそうだ。

 VRIは、PC向けディスプレイ広告についても出稿量ランキングを公表していて、こちらはトップがDeNAトラベル。以下、2位に楽天、3位GMOコマースと続く。出稿企業の業種をPC動画と比べると、動画出稿企業は製造業の比率が高く、ディスプレイ広告は専門店(小売り)の比率が高い傾向がみられたという。