多くのスポーツウエアブランドが過去にヒットした商品を改めて「◯×オリジナル」などと称して売っているケースが多いのも、そうした背景にあるのだろう。アディダスの「スタンスミス」、ナイキの「エアジョーダン」などは、まさにその例だ。各社のオウンドメディアを見ると、新作よりも過去のヒット商品の扱いが大きいように感じられるのも、同じ理由からと言えそうだ。
今回の調査結果で目を引いたブランドの1つは「チャンピオン」だ。このブランドは以前は「ゴールドウィン」がライセンス生産をしていた。今はTシャツで知られる「ヘインズブランズ ジャパン」の傘下にある。この変更に伴い販売・マーケティング戦略を立て直しているようだが、男性では順位は、ほぼそのままだった。
一方で、女性のランキングは20位から13位へと大きくランクアップしている。女性からの支持拡大は、アパレル系のブランドにとっては願ってもない結果。新しいマーケティング戦略が奏功していることの1つの証ではないか。
アンダーアーマーが躍進
もう1つ、注目すべきは「アンダーアーマー」である。男女ともにランキング順位を上げている。ブランドの歴史はまだ20年ほどで、アディダスなど「トップ5」とは比ぶべくもないが、プロのスポーツ・チームに食い込み、多くの選手が愛用していることがこのランクアップに効いているのではないか。
野球では読売巨人軍、サッカーでは大宮アルディージャなどが採用している上に、多くのアマチュアチームのスポンサーにもなっており、着々と支持層を増やしている。国内ブランドにとっては脅威だろう。
また、女性で「ロキシー」が上位から姿を消していることも目を引く。13位から、トップ20圏外の24位へと下がってしまった。ファッション性を全面に出して支持を集めていたブランドだが、今のマーケットのトレンドとは少し違う方向になっているのかもしれない。