半年に1回、消費者3万人を対象に、持ち物や嗜好、価値観など、さまざまな項目を調べているブランドデータバンク(bdb)調査。今回は新しいブランドが登場して、急成長することもあるスポーツウエアを対象に、5年前と現状とで、ブランドごとの人気の推移を分析してみよう。

図1 男性に人気のスポーツウエアブランド・トップ20
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図1 男性に人気のスポーツウエアブランド・トップ20

 今回はブランドデータバンク調査の2012年12月と2017年6月の調査結果を比較して、スポーツウエア分野の変化を見ることにしよう。

 スポーツウエアというのは本格的に運動をする人でない限り、そうそう新調するものではない。結果として同じブランドを長く使う人が多いと考えられる。

 今回の調査で、2012年12月調査の男女、そして2017年6月町の男女の全てで不動の「トップ2」となったのが「アディダス」と「ナイキ」だ。群雄割拠のこの分野で、男女ともに2~3割という高い支持を集め続けている。

男性トップ5は変わらず

 実は男性のランキングを見ると、3位「アシックス」、4位「ミズノ」、そして5位が「プーマ」と、トップ5のブランドの順位が、この5年で全く変わっていない。

 女性はミズノに代わって「ニューバランス」がトップ5に食い込み、さらにアシックスとプーマの支持率が逆転するといった変化はあるが、トップ5のブランドの顔ぶれは同一。消費者が好むブランドは固定しており、一方、トップブランドにとって、スポーツウエアは“安定したマーケット”ということになるのだろう。

 そんなスポーツウエアの世界でも、かつてはさまざまな新技術を投入し、機能性や性能の高さを競っていた時代もあった。だがここ数年は、そうした開発競争は一段落し、機能・性能ばかりでないブランド力がシェアを決める。そんなフェーズに入っているのかもしれない。