ローソンは1月5日から、スマートフォン向け無料通話・メールアプリ「LINE」の公式アカウントに、健康関連商品をお薦めする機能を追加した。同社は2013年にコーポレートスローガンを「マチの健康ステーション」に変更。2017年度に健康関連商品の売り上げを3000億円に引き上げる目標を掲げる。登録者数が2000万人を超えるLINE公式アカウントを活用することで、健康関連商品の売り上げ増につなげたい考え。

LINE公式アカウント上で、あきこちゃんが対話しながら商品を薦めてくれる
LINE公式アカウント上で、あきこちゃんが対話しながら商品を薦めてくれる

 ローソンのLINE公式アカウントを訪れると、6つのメニューが表示される。そこに「カロリーが気になるひと」と「糖質が気になるひと」という2つのメニューが加わった。カロリーのメニューを選ぶとランダムで、お薦め商品の画像とともに具体的なカロリーの数値が送信されてくる。糖質のメニューも同様に、低糖質商品がお薦めされる。

 「例えば、買い物する時に体重が気になる人は、商品に記載されているカロリーの項目を見る手間がかかった。LINE公式アカウントを通じて、手軽に低カロリーや低糖質商品が分かるようにすれば、商品を手に取りやすくなるのではないかと考えた」とローソンデジタルイノベーション開発本部シニアアソシエイトの岩立拓也氏は開発の狙いを説明する。

 この新たな機能は、日本マイクロソフトが提供する対話型AI(人工知能)「りんな」を活用して、ローソンが独自で開発した。同社がりんなを導入したのは2016年9月。りんなのAPIとローソンのLINE公式アカウントを接続することで、アカウントのメーンキャラクターである「ローソンクルー♪あきこちゃん」と、登録者が擬似的に対話できるようにした。

 「核家族や単身世帯が増える中、話し相手を求める人が増えている。対話型AIを用いることで、これまでできなかった個人への対応が可能になる。それにより、企業もその話し相手になり得る可能性がある」(ローソンデジタルプラットフォーム部の白井明子マネジャー)。普段の生活で何気ない対話を楽しんでもらうことで、ブランドへの愛着につながることが期待できる。機械学習によるAIの進化に加え、より利便性を提供するための機能追加にも力を入れる。

自社で機能を開発

 機能追加を強化するために、開発体制も強化した。従来はマイクロソフトに開発を依頼していたが、岩立氏を中心にローソンでも開発できる体制を整え、企画から開発までスピード感を持って実施できるようにした。健康関連商品のお薦め機能は、自社開発した第一弾の機能となる。基幹システムに登録された商品情報から低カロリーや低糖質に該当する商品だけを抽出。その情報を「LINEビジネスコネクト」を利用してりんなのAPIと接続することで実現した。

 将来は健康管理機能の提供も視野に入れる。ローソンでは社内向けに、食を楽しみながら健康数値の改善に役立つ食事指導のアプリを提供中。こうした機能をLINEを通じて消費者向けにも提供することで、ローソンのLINE公式アカウントを利用する習慣付けを狙う。また、コンビニ受け取りを希望した商品の到着をあきこちゃんからお知らせする機能も検討中だ。LINEの高機能化で、ローソンのサービスの窓口へと発展させたい考えだ。

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