メルシャンが、自社で運営するワイン情報サイト「ワインすき!」に、AI(人工知能)を活用したチャットボットを2017年9月に導入。新規登録会員の獲得で成果を上げた。2014年から3年間、10万人前後だった会員数が2017年末には前年比25%増の12万5000人へと増加している。

メルシャンが導入したチャットボットサービス「オフィシャルアシスタント おしえて! みのりさん」の画面イメージ。左が雑談、右がワインへの質問に対する回答(FAQ)になる
メルシャンが導入したチャットボットサービス「オフィシャルアシスタント おしえて! みのりさん」の画面イメージ。左が雑談、右がワインへの質問に対する回答(FAQ)になる
メルシャンが導入したチャットボットサービス「オフィシャルアシスタント おしえて! みのりさん」の画面イメージ。左が雑談、右がワインへの質問に対する回答(FAQ)になる

 同社が導入したのは、「みのりさん」という女性キャラクターが受け答えをするチャットボットサービス。会員から受けたワインに関する質問にサイト内コンテンツを示して回答するFAQ機能と、会員のさまざまな言葉に返答して会員を楽しませる雑談機能の2つを搭載した。

 メルシャンがチャットボットを導入した理由は2つある。登録会員数の増加と、既存会員のサイト訪問頻度、つまりリピート率の向上だ。

 もともとワインすき!というサイトは、ワインに関するコンテンツを大量に用意することで、サイト訪問者のワインへの興味関心を引き上げ、会員登録をしてもらって商品(ワイン)の購入へつなげるという目的で2009年にオープンしたものだ。

 最初の5年間こそ会員数を順調に伸ばしたが、2014年以降は会員数が横ばいで伸び悩んでいた。

 そこで2017年初めに、「2017年中に会員数を12万人まで増やす」と目標を明示。そのための手立てとして、会員だけが利用できるチャットボットを導入した。チャットでコミュニケーションしながらワインに関する知識を得られたり、チャットで楽しく雑談を楽しめたりすれば、「目新しさなどで新規のサイト訪問者が増え、それにつれて登録会員数も伸び、さらに既存の会員のサイト訪問頻度、つまりリピート率も向上すると考えた」(キリン デジタルマーケティング部の寺田智伸主務)。

 キリングループの多くのWebサイトの中で、チャットボットを採用したのはワインすき!が初めてだ。

AIの精度アップへ

 目下の課題は、「会員のサイト訪問頻度(リピート率)の向上が、思ったほどではない」(寺田氏)こと。サイト訪問者が予算や料理、飲用シーンなどに触れず、「辛口で重いけれど、比較的飲みやすい赤ワインはない?」といった質問をするとうまく回答できないという。

 「データを蓄積し、機械学習を繰り返すことで回答の精度を引き上げ、半年以内に何らかの成果を上げたい」と寺田氏は語る。

 その後は、ワインすき!に導入したサイト接客ツールとチャットボットを連動させて、具体的な商品(ワイン)をみのりさんから先にレコメンドすることを目指すという。

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