みずほフィナンシャルグループ(FG)はビッグデータ活用へ、情報システムや人材面の強化を矢継ぎ早に進めている。今年初めには従来の最大8倍と高速なデータ分析システムを導入。4月には、グループ全体のデータ活用・管理に責任を持つチーフ・データ・オフィサー(CDO=最高データ責任者)を設置した。約20人のデータマネジメント部を配下に、FG全体のリスク管理にとどまらずマーケティング活用まで指揮する。

 みずほFGはビッグデータ活用を進めるために、データ分析システムを2年かけて整備してきた。米テラデータの高速データベースと高速分散処理基盤Hadoopを連携させるシステムで、テラバイト級のデータを扱う。従来の最大8倍の速度でデータを分析できるという。投資額は一連のシステムで数十億円規模とみられる。

 今年度はデータ整備に着手し、システムを使い始める。今年の後半から来年にかけて、活用の成果を出していきたい考えだが、「中長期的なデータ活用を見据えて、3~4年かけて取り組んでいく」(みずほFGとみずほ銀行のデータマネジメント部の高橋達浩部長)。

 分析システムの処理速度を大幅に引き上げたことで「データ活用につながる仮説と検証を何回も繰り返すことができる」(データマネジメント部企画チームの荒井陽介次長)と期待する。従来は朝にデータを投入して1日かかっていた分析処理が、最速10分程度で終わるという。

CDOを中心とした、みずほフィナンシャルグループのビッグデータ活用体制
CDOを中心とした、みずほフィナンシャルグループのビッグデータ活用体制

配下に20人のデータマネジメント部

 グループCDOには、みずほFGの安部大作執行役副社長が就任した。グループCIO(最高情報責任者)も引き続き兼務していき、銀行、信託、証券といったグループの顧客の取引で発生するビッグデータの活用を推進していく。例えば、預金・貸し出し、投信といった取引や、インターネットバンキング、ATMの利用といったデータを統合し、顧客の行動などを分析していく。リスク管理の強化だけでなく、グループのデータを一元的に管理することによるマーケティングでの活用も検討していく。

 CDOの配下で実際に動くのは、みずほFGとみずほ銀行で同組織のデータマネジメント部で、昨年7月に設置した。約20人の陣容で、そのうちリスク管理担当で約10人、システム開発担当で約5人が他部門と兼務している。

 実際のデータ活用は個人部門などが取り組むケースが想定されるが「銀行、信託、証券のデータの収集をこれから始め、データを活用できる形に整備していく」(データマネジメント部の高橋部長)。

 日本の大手企業では三菱UFJフィナンシャル・グループが昨年10月に初のCDOを設置しており、金融大手からCDOの設置が進んでいる。

 金融業界には、楽天やセブン&アイ・ホールディングス、イオンなど、ネット戦略に長けていたり、消費者により近い店舗網を擁していたりする異業種が参入してきている。顧客の行動やニーズを把握するため、社外データの活用も求められそうだ。

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