2015年4月21~22日の2日間、東京・六本木の東京ミッドタウンホールで開催された「BigData Conference 2015 Spring」において、「自動運転社会を支えるプラットフォームとは?~『ロボットタクシー』の実現に向けた戦略を語る~」と題してZMPの三原寛司 取締役技術開発部部長が講演した。

ZMP取締役 技術開発部部長の三原寛司氏

 三原氏はまずZMPの事業について、「これまで二足歩行のロボットを作ってきた。ロボットの技術はセンシングして制御するという点で自動運転に通じる。そこで自動運転にも取り組むようになった」と説明した。

 三原氏は自動運転についても説明し、「米国の基準で4段階にレベル分けされている。レベル3は半自動運転で、人が運転する時間と自動運転を車に任せる時間があり、これは飛行機の運転で離着陸が人、飛行が安定したら自動、という考えに近い。レベル4は完全に自動で運転する」とした。そのうえで「当社はレベル4を目指しており、米グーグルなども同じだ。一方、自動車メーカーはレベル3で競争している」と目標の違いを説明し、「レベル3とレベル4には違う難しさがあり、人とロボットが主導権を奪い合う形になるレベル3は非常に困難だと感じている。レベル4は、完全自動の難しさはあるが、運転経路を限定することである程度難しさを克服できると考えている」(三原氏)とした。

自動車は所有する必要はなくなる

 完全自動運転が実現した場合、「運転や車を趣味とする人などを除き、自動車は売り物からモビリティサービスに移行する。呼びたいときに呼べばいいので所有する必要はなくなり、駐車場も必要なくなる。自動車はネットワークシステムで管理され、システム上のサービスに付加価値が付く」(三原氏)。

 サービスの一つとしてZMPが考えているのが、「ロボットタクシー」だ。三原氏は、「ロボットタクシーは単なるタクシーに終わらない。例えば配送サービスと組み合わせる。ネットワークでサービス管理や配車を行い、物流にも使うことができる」と話した。

 レベル4の自動運転を目指すため、「最初は都市部ではなく田舎で運用し、専用道路を作るなどある程度シナリオを用意することで、実現性が高まる」(三原氏)。「専用道路」という観点から同社が見据えているのは、2020年の東京オリンピックでの公認を得ることだ。三原氏は「これまでの大会でも、オリンピックレーンと呼ぶ公認タクシーしか入れない道路が用意されている。これを使えば、空港から競技場、選手村から競技場などの移動にロボットタクシーを使える可能性が高い」と説明した。

 三原氏は自動運転を支えるプラットフォームについても紹介した。その一つが「ダイナミックマップ」で、「いままでの地図に高精度な車線や交差点、交通ルールなどを足し、さらに道路の交通状況なども統一して扱う。このためにはクラウドを使ったネットワークサービスが必須になる」(三原氏)。

 ロボットタクシーでは、広告モデルでの運用も検討しているという。三原氏は「例えば、乗車した顧客に対してお店の広告を打ち、実際にお店に立ち寄るとタクシー料金が無料、といったサービスが考えられる」と展望を語った。

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