NTTデータ経営研究所、旭化成ホームズ、大日本印刷(DNP)、竹中工務店、パナソニック、フジクラなどは、人がどのような場所や状況でストレスを感じるのかビッグデータを収集して分析する共同プロジェクトに乗り出した。必要なデータを企業や大学が共同で収集したうえで分析するという、これまでにない取り組みだ。分析結果や各社における実ビジネスへの応用が注目される。

参加各社の役割(左表)。スマートフォンで定期的に状態を入力してもらったり(右)、オフィスや家庭に各種のセンサーを設置したりしてデータを取得した
参加各社の役割(左表)。スマートフォンで定期的に状態を入力してもらったり(右)、オフィスや家庭に各種のセンサーを設置したりしてデータを取得した

 脳科学関連の研究に取り組む「ニューロアーキテクチャー研究会」に参加する企業が、オフィスや社員の家庭、被験者の人体などに各種センサーを取り付けたり、スマートフォン経由で気分などを入力してもらったりして、必要なデータを収集した。

 被験者は各社の社員が務めた。1社30人前後が協力し、4社の合計113人が参加した。今年2月までの間で10日間計測しており、合計で延べ1000日分のデータが集まった。データ量としては1人当たり1週間で300メガバイト程度。データ分析は東京大学と早稲田大学が中心となって実施し、被験者がストレスがあると感じていたり、快適であると感じたりした時に、周囲の環境などがどのような状態にあったのか相関関係を見いだす。データは1カ所にデータベースとして集約し、参加する各社がそれぞれの事業で活用していく。

ストレスに関連したデータの取得状況
ストレスに関連したデータの取得状況

快適を軸に各社がデータ活用

 解析結果は、マーケティングや、製品開発など幅広い分野での活用を想定する。フジクラは従業員の健康増進を掲げる「健康経営」の推進、竹中工務店や旭化成は建物の設計、パナソニックは空調や照明製品の設計、DNPは壁材の開発などにそれぞれ生かしていく考えだ。

 事務局を務めるNTTデータ経営研究所の萩原一平情報未来研究センター長ニューロイノベーションユニット長は今回の取り組みについて「連続した大量データを、ほぼリアルタイムに取得していること」が特長だと説明する。被験者がその時どのように感じたかの心理状態は、1日5~7回入力してもらうことで実現している。オフィスや家庭では、照度、二酸化炭素、風速なども取得している。

 個人のプライバシーに関わるデータが多いため、「データの収集や分析には細心の注意を払っている」(萩原氏)という。被験者の所属する企業のプライバシーポリシーなどに反しないように実験を行い、データは匿名化したうえで分析している。

 現時点のデータ分析で分かっているのは、会社ごとにストレスを感じる時間帯などの状況が異なることという。データの解析を進めていくほか、今回は冬期間にデータを収集したため、今夏にも収集を行うことでデータの精度を高める。

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