東京ハイヤー・タクシー協会が、タクシーの位置、時刻、乗車・空車などのステータス情報といったタクシー動態データの分析に取り組んでいる。同協会が提供するタクシー配車のスマートフォンアプリ「スマホdeタッくん」から得られるデータの分析結果を、同協会内の委員会で毎月1回共有し、活用方法を探っている。

 空車率を下げることがタクシー業界共通の願いである。同協会は今、下図に示したようにタクシー動態データ、地域別・時間帯別の配車注文データ、注文から配車までの待ち時間のデータなどを分析し、タクシー利用の需要を正確に把握しようと努めている。

(a)注文データを地図上にプロットしたもの
(a)注文データを地図上にプロットしたもの
(白い軸の高さが待ち時間、都心ほど短く、郊外になるほど長くなる)図版提供:東京ハイヤー・タクシー協会、みずほ情報総研
(b)地域別注文実績
(b)地域別注文実績

 複数のタクシー無線グループを配車対象とすることで、タクシー会社1社のデータに基づいてタクシー需要を推定するよりも高い精度で、地域別・時間帯別のタクシー需要を把握できる可能性がある。タクシー需要と供給のミスマッチをなくせば空車率を下げることができる。

 アプリでは1万台のタクシーが配車の対象となり、月に5000件以上の利用がある。このシステムに参加しているタクシー無線グループごとのデータ配車システムと接続され、各無線グループ経由でタクシーの動態データが24時間リアルタイムで入ってくる。今年1月のサービスの開始以来、タクシーの動態データや配車の注文データを蓄積してきた。

 データ分析の結果分かったことの1つに、配車距離の削減率がある。従来と比べて、配車の注文を受けたタクシーが利用者の場所に着くまでの距離を10%削減できていることが分かった。実際に呼び出されたタクシー以外に利用者の近くにいたタクシーが呼び出された場合の移動距離を算出し、それらの平均と実際の移動距離を比較した。同協会の樽澤功副会長は、「10%の削減率は当初の想像をはるかに超えていた」と言う。

 配車距離が減少したのは、対象タクシーの台数が多いほど近くのタクシーを呼び出せるためだ。利用者にとってはこれまでよりも短い時間でタクシーを呼び出せたわけだ。

この記事をいいね!する