デンソーは2015年1月、独自の自動のエネルギー制御を行う新型HEMS(ホームエネルギー管理システム)を投入する。まずは翌日の天候情報に応じて、蓄電池の消費を最適に制御する。

 「居住者が操作しなくても翌日の天候情報に基づいて自動で電力を節約し、二酸化炭素の排出量を減らしてくれる」

 デンソー技術開発センター マイクログリッド事業開発室の野田和伸開発担当部長は、来年投入する新型のHEMS装置「ナビエ(Naviehe)」についてこう説明する。HEMSとは家庭内の家電や蓄電池、太陽光発電装置などを操作する機器で、省エネを実現する要となる装置である。

ナビエを操作するアプリ画面のイメージ
ナビエを操作するアプリ画面のイメージ

 ナビエの特徴は明日が晴れなのか、雨なのかの天気の情報を外部データとして取得して、エネルギー制御の設定を変えていることだ。明日が晴れの場合、翌朝には蓄電池にある電力を消費してしまいゼロになるよう制御。翌日は太陽光発電の余剰電力を蓄電池に供給する。一方で明日が雨の場合、夜中の安い電力を蓄電池に供給しておく。蓄電池にある安い電力を使うようにするというわけだ。

 そうした制御を「地産地消モード」と呼んでいるが、発電量3.3kWhの太陽光発電と8.2kWhの蓄電池に接続して利用する場合、4人家族の家庭の場合で年間1トン強の二酸化炭素(CO2)排出量を削減できるという。「あくまでも地球環境の保護に貢献するのが狙いではあるが、年間4万~5万円の電力料金を節約できる」(野田部長)という。

生活パターンを把握し制御を進化

 デンソーは今後、ナビエを中核に各家庭のデータを蓄積したり分析したりして、本格的なビッグデータ活用に乗り出す考えだ。

 例えば、各家庭ごとの利用パターンや好みを把握することができれば、生活スタイルに合わせた最適なエネルギー制御設定ができるようになる。また、天気データは現在「翌日が晴れか雨か」を活用しているが、同じ晴れでも晴天もあれば、薄日もあり発電量が異なる。そうした細かな条件まで反映させていく。

 デンソーはまずナビエを住宅展示場の蓄電設備などがあるモデルルームに設置して認知を図っていく考えだ。HEMSの普及はこれからだが、電力料金以外のメリットも訴求していく。

 例えば、オプションとして温度や湿度のセンサーを装着し、住宅の劣化状況を細やかに管理できる。屋根裏の湿度が異常に上がってくると、水漏れの可能性があるといった判断が可能だ。

 また、多種多様な家電機器を制御できるようにするため、家庭内のネットワーク化を推進する「エコーネットコンソーシアム」の発行した「ECHONET Lite規格」に準拠している。接続した家電をタブレットやスマホから直感的に操作できるようになる。

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