シャープは、周囲の状況に応じ適切な行動をしたり、機器間で情報を交換して連携したりする家電製品を本格的に展開する。2製品だった「ともだち家電」に3製品を追加することを10月に明らかにし、同社家電の各カテゴリーへの展開を加速する。

 ともだち家電は、ロボット掃除機と空気清浄機の最上位の2機種だったが今回、オーブンレンジ、洗濯機、冷蔵庫の新商品を投入する。家電のコモディティ化が進むなか、家族とのコミュニケーションをウリに差異化を図る。例えばロボット掃除機の実売価格は約10万円と、競合のiRobot最上位機より5割ほど高い。

 ともだち家電は、状況に応じて“しゃべる”のが特徴だ。健康・環境システム事業本部副本部長兼商品革新センター所長の阪本実雄氏は、「それぞれの家電は自身の状態や周囲の状況を把握している。言葉で伝えることで、便利さと同時に親しみを持ってもらいたい」と語る。

 例えば、空気清浄機は、乾燥・低温時はウイルスが発生しやすいと判断し「お部屋が乾燥しています、加湿しますね」と加湿を始める。加湿用の水をタンクに入れると「給水、ありがとう」と感謝の意を示す。シャープはこうした応対の機能を「ココロエンジン」と呼び開発を進めている。

外部の天気データと連携

 別売のネット接続部品を装着することで、外部データの活用やスマートフォンからの操作が可能になる。

 空気清浄機の場合、PM2.5の情報を外部から取得して、窓の開放を控えたり、外出時にマスクをしたりするように促す。機器からは、正常に動作していない場合、「調子が悪いよ、コンセントを抜き差ししてみて」といった“つぶやき”がスマホに送られてくる。新たに投入する洗濯機では天気データと連携し、「自宅周辺で雨が降る予報であれば、乾燥モードの利用を提案する」(阪本氏)。

 シャープはともだち家電の提供にあたり、データを管理したり機器を制御したりするクラウド基盤を整備。データを分析するサイエンティストも配置した。

 ネットに接続したともだち家電が普及すれば情報が蓄積し、新たな顧客ニーズの発見につながる。そのためにも顧客が驚くような連携サービスを、他社ともオープンに開発していく必要がありそうだ。

シャープの「ともだち家電」のネットワーク構成
シャープの「ともだち家電」のネットワーク構成
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