自動車部品メーカー大手のアイシン精機は、睡眠サポートサービスを開始した。本業で培ってきたセンサー技術と、長年取り組む運転と睡眠の研究から得たデータ分析力を応用した、新たな事業の創造が狙いだ。

 アイシン精機が7月に発売した睡眠計「ねむりモニター」は、北米市場向けの自動車にエアバッグとセットで搭載する体重検知センサー2基をベッドの頭側の2脚に設置して、利用者のベッド上での身体の動きを検知。そこから得られたデータから睡眠状態を判別して、スマートフォンやパソコンに表示する。価格は3万円(税別)。

 睡眠の質を、総合評価を表す点数と「入眠力」「深眠力」「持眠力」など5つの指標で示す。1日、1週間、1カ月といった単位で集計、分析が可能で、睡眠のリズムの日々の変化を知ることもできる。さらに、専門家の監修による「睡眠を改善するための一言アドバイス」も提供。詳細な分析や他者との比較を求めるユーザーには、月額300円(税別)の有料サービスを販売する。

1日の睡眠を5つのステージに分割することにより、睡眠の質を分かりやすく評価
1日の睡眠を5つのステージに分割することにより、睡眠の質を分かりやすく評価

 就寝時から起床時までに得られたデータを30分に1回、Wi-Fi経由でアイシン精機のサーバーに送る。「これまでに蓄積してきた、数百人分の睡眠時の身体の動きのデータから得られた独自のアルゴリズム(睡眠解析技術)を使って(睡眠状態を)分析する」(L&Eシステム開発部システム開発グループ第3チーム・チームリーダーの井上慎介氏)仕組みだ。製品購入者から長期間に渡る睡眠データを収集、蓄積して、分析精度を向上していく。

照明メーカーとの提携も視野に

 中長期的には、温湿度の変化や照明の明暗といった寝室環境を示すデータや、食事や運動の状況といった生活習慣を示すデータなども入手して、睡眠データと組み合わせ、「睡眠に悩むユーザーに対して、改善するための手立てを打ち出していく」(L&E・新規事業戦略本部商品事業統括グループ新規事業戦略チーム主担当の稲垣芳孝氏)方針だ。「例えば照明メーカーと提携して、ある睡眠のパターンを示すユーザーに対して、室内の照明をどのように変化させればよく眠れるかなどを研究していきたい」と井上氏は展望を語る。

 ねむりモニターの当面の販売目標は400セットほど。アイシン精機は実は、睡眠と運転の研究を生かし、自動車部品に使う素材を応用したよく眠れるベッドも開発・販売している。個人向けについては、そのベッドと同じ家具店と直販サイトで販売していく。販売数を増やすには「販路拡大が普及のカギ」(稲垣氏)と考え、他の販路の開拓も模索していく考えだ。

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