良品計画はレコメンドエンジンの自社開発を進めている。今年の6月にも「無印良品ネットストア」や、スマートフォン向けアプリ「MUJI passport」で、個人ごとのレコメンド情報を提示する計画だ。

 同社は、スマホアプリ、ネットストア、店舗、自社クチコミサイト「my MUJI」などの利用データといった多様なデータソースを利用するため、既存のパッケージソフトでは対応しきれず自社でのシステム開発に乗り出した。

 システムは、ビッグデータを分散処理するソフト「Hadoop」上で動作する機械学習ライブラリ「Mahout」を使用する。Mahoutを利用してある程度パターン化された処理をしておき、その結果を自社開発のソフトによってレコメンド情報として柔軟に発信できるようにする。

 レコメンドエンジンが利用するデータベースは、クラウドサービス「アマゾンウェブサービス(AWS)」上で稼働させる。

 良品計画は昨年5月に、ネットや店舗での商品購入で「MUJIマイル」がたまるMUJI passportのサービスを開始して以来、店舗とネットの販売履歴、ネットストアのページ閲覧、MUJI passport利用者の店舗へのチェックイン(来店)やレジでの支払いのデータなどをAWS上に蓄積してきた。

 ネットストアのログデータは量が膨大なため、アクセス解析ツール「Adobe Analytics」と米トレジャーデータのデータ収集・保存・分析サービスを利用して整理してからサーバーに格納している。

狙いは店舗とネットの統合

 今回開発するレコメンドエンジンの狙いは、「店舗とネットの販売を統合すること」(奥谷孝司WEB事業部長)。MUJI passportと共通する、いわゆるオムニチャネルの推進だ。

 サーバーに蓄積しているデータの分析用のツールとして、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの「Tableau」を導入している。マーケティングのアイデアを発展させ、実行に移すための道具として、定型的にも非定型的にも使う。

 これに対してレコメンドエンジンは、販売促進の自動化を狙ったもの。セット値引きやお試しキャンペーンなどのこれまでの施策とレコメンドを組み合わせることを考えている。適切なレコメンド情報を顧客に送り出すことで、「必ず売り上げ増につながる」(奥谷部長)と期待をかける。

 ただし、一度レコメンドシステムを開発したからといって、その仕組みだけで売り上げ増加の効果が続くと考えているわけではない。例えば、オンラインでのアンケートにより顧客の好みを収集してデータベースに取り込む。こうして新たな分析材料を追加して、レコメンドの的確さに磨きをかけていきたい考えだ。

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