中古車買い取り・販売を手がけるガリバーインターナショナルは、販売展示場「WOW! TOWN(ワオタウン)」でタブレットを活用した営業の高度化に取り組んでいる。タブレットが“センサー”となって、来場者の興味関心データを自然に収集して、蓄積していく仕組みだ。

 中古車買い取り・販売を手がけるガリバーインターナショナルは、販売展示場「WOW! TOWN(ワオタウン)」でタブレットを活用した営業の高度化に取り組んでいる。

 米アップルのタブレット端末「iPad mini」を来場者に渡して、ライフスタイルに適した車を診断したり、車の詳細情報を閲覧したりしてもらう。タブレットが“センサー”となって、来場者の興味関心データを自然に収集して、蓄積していく仕組みだ。担当営業の行動の高度化にも活用している。

タブレットのカメラで車に掲示したQRコードを撮影すると、詳細情報が表示される
タブレットのカメラで車に掲示したQRコードを撮影すると、詳細情報が表示される

 さいたま市にあるワオタウン大宮の展示場。敷地面積は8235平方メートルと広く、アミューズメントパークのような店舗構えでスペックや価格を強調した従来の中古車展示場とは一線を画す。

 来場者には「お客様番号」を登録した専用アプリを搭載するiPad miniが手渡される。アンケート用のアプリで「生活の中心は子ども」「ハンドルを握るとワクワクする」といったライフスタイルを軸にした10項目の質問に5段階で答えることで、好みにあった車のタイプが診断できる。

 この診断を参考にして顧客は「FAMILY」「ACTIVE」「FASHION」「ECO&ECO」「DRIVING PLEASURE」のエリアを回遊し、車に貼られたQRコードをiPad miniで読み込むことで価格や走行距離、車種年式といった情報を得られる。お気に入りの車を登録してもらうことで、顧客の好みの参考にもする。

 これらの情報は顧客が家に帰ってからインターネットで閲覧し、その後の検討にも活用できる。

顧客の“購入意欲度”を数値化

 データは、来店回数や商談状況、成約の可否といった情報とともにシステムに蓄積し、営業提案の指針作成と営業担当者の行動管理に活用する。CRM(顧客関係管理)システムと独自開発の分析システムとの間でデータを連係させて実現している。

 顧客の行動や、営業担当者の感触などから購入の意欲度を分析して、6段階の「ホット度」として数値化する。「重要度」は、営業担当者が提案する優先順位付けを示しており、購入希望時期に合わせて提案スピードを調整する。

購入意欲を示す「ホット度」は、来場者のデータや営業アプローチデータを収集・分析し6段階で表示される。「重要度」は優先順位を色別で示す
購入意欲を示す「ホット度」は、来場者のデータや営業アプローチデータを収集・分析し6段階で表示される。「重要度」は優先順位を色別で示す

 従来は「○回来店したお客様に対して積極的な営業をする」としていた単純な手法から、「ホット度」や「重要度」を見つつ「ご興味ありそうなお車が入荷されました」と、適切なタイミングでコンタクトするといった具合だ。

 ワオタウンは大宮のほか、幕張(千葉市)、箕面(大阪府箕面市)で計3店舗を展開。買い取り専門店からスタートしたガリバーだが、新車を含めた小売りの販売事業も積極的に展開している。輸入車専門の「LIBERALA」や、軽自動車専門の「ガリバーミニクル」といったブランドを展開。小売り販売事業で新たな収益の柱の育成を急ぐ。

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