米ネットフリックスはDVDレンタルの注文をインターネットで受けて、DVDを郵送で届ける事業で立ち上がった会社だ。しかしここ数年間は、オンラインストリーミングによる映画やテレビ番組の配信サービスに注力している。米国のほか、欧州、カナダ、南米で事業を展開しており、世界40カ国以上3600万人のストリーミングのユーザーを持つ(2013年3月末時点)。

 米ネットフリックスはDVDレンタルの注文をインターネットで受けて、DVDを郵送で届ける事業で立ち上がった会社だ。しかしここ数年間は、オンラインストリーミングによる映画やテレビ番組の配信サービスに注力している。米国のほか、欧州、カナダ、南米で事業を展開しており、世界40カ国以上3600万人のストリーミングのユーザーを持つ(2013年3月末時点)。

 DVDレンタルとストリーミング配信の両方のサービスの利用履歴を分析し、ユーザーに対して確度の高いレコメンドを行って収益を引き上げている。

 登録住所、過去の視聴履歴、閲覧コンテンツへの評価などに加えて、ストリーミング配信においては、何月何日の何時何分にどのコンテンツを見て、どこで止めて何分後に再開したのか、視聴をやめたのかといった情報も取得し蓄積している。PCやゲーム機、スマートフォン、iPadなど様々な端末で視聴できるようにしてあり、どの端末を使ったのかの情報も取得し活用する。

 例えば、ユーザーは1つのアカウントを家族全員で使うことが多いが、こうしたデータを蓄積することで好みの分散などから家族構成を推測する。週末の昼間にゲーム機でアニメを見るのは子供、平日の深夜にiPadで刑事ドラマを見るのは父、というように推測。時間帯や端末によって、「SFアクション」「アート系外国映画」というように異なるジャンルや傾向のコンテンツをレコメンドする。

 ネットフリックスでは、ストリーミング配信を開始する前の2006年ごろから、レコメンドの精度向上のためのアイデアコンテストを実施するなどしてサービス品質を向上させてきた。

 多くの映像配信ベンチャーが失敗する中で数少ない成功例になったのは、こうしたビッグデータ活用が利用者に受け入れられたからだ。配信側が見せたいコンテンツではなく、ユーザーが見たいものをレコメンドしている。モバイル端末やゲーム機などPCやテレビ以外の端末にも迅速に対応してきた点も評価されている。2012年6月には有料のオンライン映像サービスの市場でシェア44%となり、米アップルの「iTunes」の32%を押さえてトップに立った。

 2009年ごろにはITインフラを米アマゾン・ドット・コムのクラウドサービスに移行している。バックエンドのデータベースには、可用性と多地点分散を優先してオープンソースの「Apache Cassandra」を利用している。ピーク時には1秒に読み出し5万件/書き込み10万件、1日平均で読み出し21億件/書き込み43億件を処理している。

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