米インセクトフォーキャスト・ドット・コムは、米国およびカナダ南部の主な農作物栽培地域の全体にわたって害虫の発生リスクを予測するWebサービス「insectforecast」を無償で提供している。個人が開発したサービスで、現在は多国籍バイオ化学メーカーであるモンサントが広告スポンサーとなっている。

 米インセクトフォーキャスト・ドット・コムは、米国およびカナダ南部の主な農作物栽培地域の全体にわたって害虫の発生リスクを予測するWebサービス「insectforecast」を無償で提供している。個人が開発したサービスで、現在は多国籍バイオ化学メーカーであるモンサントが広告スポンサーとなっている。

 害虫の発生リスクは、専門情報サイト「PestWatch」が提供する全米の害虫トラップによる捕獲数、米国海洋大気庁(NOAA)が提供する気象パターン、土壌の温度、積算温度などのデータを掛け合わせて分析している。PestWatchは、ペンシルベニア州立大学が提供する害虫発生情報提供サービス。総合的病害虫管理に取り組む他の大学や公的組織など8つの機関から各種害虫の発生データの提供を受け、インタラクティブに利用できる地図サービスを公開している。

 分析対象としている害虫は、オオタバコガの幼虫(Corn Earworm)、トウモロコシにつくネキリムシ(Corn Rootworm)、豆類につくネキリムシ(Western Bean Cutworm)である。

 オオタバコガは米中西部の北部などの寒い地域では越冬できないのに、そうした地域で発生して被害を出している。どうしてそうなるのかというメカニズムやリスクの程度が、今回の気象データの活用で突き止められた。

 具体的には、オオタバコガの成虫は南の温暖な地域にいるが、上昇気流によって北の寒い地域に運ばれて、前線に遭遇して下向きの気流で地面に着地。そこで卵を産んでいたのだ。こうした状況となるのは、高気圧が米東部に位置し、低気圧とそれに伴う前線がロッキー山脈や北部の平らな州の東側に観測される場合である。高気圧の西側で、低気圧の東側に位置する北向きの風はポンプの役目を果たしていたわけだ。

 こうした気象パターンと害虫移動の相関関係は、過去40年間にわたってイリノイ州ロシェルの害虫トラップで捕獲したオオタバコガの数と、過去の気象データを掛け合わせて分析し明らかになった。

 インセクトフォーキャストはこうした予測とともに、害虫を駆除する薬剤散布のタイミングについてもアドバイスしている。

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