兵庫県の城崎温泉は2010年11月、異なる7つの外湯で共通の入場券として使えるシステム「ゆめぱ」を導入した。最大の狙いは、宿泊客の利便性を高めると同時に温泉街の活性化を図ること。そのために、FeliCaチップ内蔵の携帯電話やICカードを使ったキャッシュレスでの外湯の入浴と、外湯の利用状況を収集・活用するための環境を整えた。

 兵庫県の城崎温泉は2010年11月、異なる7つの外湯で共通の入場券として使えるシステム「ゆめぱ」を導入した。最大の狙いは、宿泊客の利便性を高めると同時に温泉街の活性化を図ること。そのために、FeliCaチップ内蔵の携帯電話やICカードを使ったキャッシュレスでの外湯の入浴と、外湯の利用状況を収集・活用するための環境を整えた。

 宿泊客はまず、旅館へのチェックイン時に、FeliCaチップの読み取り機能を備えるゆめぱ端末に携帯電話やICカードをかざして利用登録を済ます。その後、外湯の受付に設置してあるゆめぱ端末に登録済みの携帯電話やICカードをかざすと、その場では現金を支払わずに入浴できる。飲食店などの支払いにも使える。代金は後払いとなり、旅館のチェックアウト時に清算する。

 宿泊客がゆめぱ端末に携帯電話などをかざすたびに発生するデータは、旅館から常に閲覧できるようになっている。7つの外湯の30分前の男女別入浴者数が確認できるだけでなく、宿泊客がどの店で何を買ったかも把握可能。ある外湯に多くの宿泊客が入浴していることが分かれば、通り道にある地ビール販売所に従業員を配置して外湯帰りの宿泊客を手厚く迎え、売上増につなげるといった手を打てる。

 2012年初めまでに約80軒ある旅館のほぼすべてが、ゆめぱに対応。ゆめぱを運営する「城崎このさき100年会議」の調べによると、2013年3月には1カ月間で4万6000人以上がゆめぱで外湯を楽しみ、ゆめぱ利用の入浴回数は月間延べ約14万回に達した。

 また、ゆめぱを利用できる飲食店や土産物店も30軒以上となり、代金支払いに利用するケースも増えている。ゆめぱによる代金支払いの利用総額は2013年3月の1カ月で約73万円。平日でも一人あたりの利用金額が6000円を超える日も出てきており、温泉街の活性化につながっている。

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