生乳出荷量が年間1万トンを超える国内屈指の大規模酪農企業である本川牧場は2012年8月、牛の管理用システムを強化した。牛1頭ごとの繁殖能力を最大限に引き出して搾乳量を高い水準で安定させると共に、疾患に起因する繁殖能力や乳量の低下といった“事故”を減らすのが狙い。

 生乳出荷量が年間1万トンを超える国内屈指の大規模酪農企業である本川牧場は2012年8月、牛の管理用システムを強化した。牛1頭ごとの繁殖能力を最大限に引き出して搾乳量を高い水準で安定させると共に、疾患に起因する繁殖能力や乳量の低下といった“事故”を減らすのが狙い。

 同システムは、RFID(無線ICタグ)を活用した乳量の管理システムや、万歩計を活用した運動量の管理システムなど、複数のシステムから牛の状態に関する情報を収集。さらに、過去の疾病やワクチン接種の履歴、種付けの状況や出産予定時期を、いずれも牛1頭ごとに割り振ったID(耳標)にひもづけて管理している。管理対象の牛は約5000頭。システムに集約した情報は個体ごと、あるいは出産回数や産後日数によってグループ化した「群」ごとにパソコンやタブレットで閲覧できる。

 本川牧場は蓄積したデータを将来の生乳出荷量の予測や、最適な受精時期の把握に役立てている。例えば、出荷量の予測。種付けの状況と出産予定のデータを基に、搾乳が可能になる牛の頭数を8カ月先まで可視化する。一方、産後の経過日数から、乳量が減って搾乳時期を終える牛の頭数を見通す。これらの情報から将来の出荷量を見積もる。乳量が減って運動量が増えると発情期に入った可能性がある、といった牛のバイオリズムも1頭ごと可視化し、繁殖に活用している。

 システムの基盤にはセールスフォース・ドットコムのクラウドサービス「Force.com」を採用。各種外部システムからデータを取り込む機能を実装した。

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