全国127のゴルフ場の運営を手掛けるPGMホールディングスは、年間約35万件の顧客アンケートを分析。費用対効果の高い施策を中心に展開し、満足している顧客の割合を2012年に82%と2010年比で3ポイント高めた。

 PGMはM&A(企業の合併・買収)によってゴルフ場の運営会社を次々と傘下に収めてきたため、コースごとにサービスのレベルにバラツキがあった。そこでブランドの統一感を図るため、2008年に顧客満足度調査のデータ分析を本格化させた。

 フェアウエーやグリーン、ティーの状態、プレー進行やレストラン(料理)など、それぞれの要因が互いにどのように関係していて、全体の満足度に結びつくのかをツールで分析。「レストランの満足度が1上がったら、全体の満足度はいくつ上がるのか」といった関係を割り出した。さらにテキストデータのマイニング分析で、自由記入欄へのポジティブなコメントと、それに対して相関が高い項目も割り出した。

 これらからレストランのメニューなどサービス品質を上げれば、全体の満足度を大きく引き上げられることを突き止めた。コースのグリーンを整備することでも満足度を高めているが、コストがかかる。そこで有名料理人が監修するメニューを投入するなどし、レストランの満足度を2012年に2010年比で5ポイント引き上げた。

 PGMは顧客が他の顧客に、ゴルフ場の利用を推奨するNPSという指標を重視している。推奨者の比率から、批判をしたり離反したりしている顧客の比率を差し引いたものだ。顧客にとっては自分自身の評判にもかかわるため、NPSを上げることが究極の顧客満足度向上と言える。

 ここでもNPSに「ランチがおいしい」といったレストランの満足度が影響していることがわかり、予約時の電話対応なども重要な要素だった。

 PGMは2012年夏、データ分析部門を事業会社からグループを統括するPGMホールディングスに移管。社長室の「データ戦略部グループ」として全社目線でデータを分析し活用する体制を整えた。

 PGMは2013年4月、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の展開するポイントサービス「Tポイント」に加盟し、PGM独自のポイントカードから切り替えた。Tポイントには100社約5万7000店舗が参加しており、会員数は約4500万(2013年4月末)。ゴルフを趣味とする高収入な顧客が、Tポイントの他の加盟各社でどのような購買行動をしているのかを把握できるようになった。

 これにあわせて、買収したゴルフ場ごとに運用していた顧客管理システムを統合。顧客データベースも一元管理とした。分析システムには、日本IBMの分析ツール「SPSS」などを採用している。

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