イオンの直営農場を運営するイオンアグリ創造は2011年12月、クラウド型情報システムの実証実験を開始した。データ活用による農業の工業化を進め、経験のない社員の技術習得を高速化する。収穫高増加、経営の透明化につなげる狙い。

 当初は7カ所の農場に富士通の「農業クラウド」を導入。現在はそれを12カ所に拡大した。構造化されたデータはもちろん、構造化されていないデータも収集し、経営や生産、品質の3つの点を改善する。非構造化データには、例えば社員が携帯電話で撮影した作物の写真などがある。写真と共に作物の生育状況や病害虫の発生具合なども入力し、クラウドにアップロードする。GPS(全地球測位システム)を利用して位置データも自動で保存する。これらにパソコンや携帯電話からアクセスし、社員同士がノウハウを共有することで農業技術を向上する。既に専業農家による収穫高を10とすると当初3程度だった収穫高が7~8に上がっているという。

 今後は構造化データの活用を推し進める。農場内に設置した数台のセンサーから気温や降水量、土壌温度などの気象データを一定間隔で収集・蓄積し、作物の発育状況との相関関係を調べる。これにより生産や品質をさらに改善する。また、出荷情報や作業実績のデータから生産コストや利益を数値化し、経営への効果も追求していく。

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