このために導入したのが「回転すし総合管理システム」である。来店した顧客は、入り口のタッチパネルにグループの人数、大人・子供の人数を入力し番号札を受け取る。店員が顧客を案内する際、システムに着席位置を入力する。

 回転すし店を展開するあきんどスシローは、店内の顧客の“飲食力”を数値にすることで「見える化」し、適切なタイミングで適切なネタを提供している。季節や曜日、時間帯、地域ごとに注文されるネタのデータを分析し、廃棄ロスを減らすことで、その浮いたカネを品質の高い食材の調達に振り向けている。

 あきんどスシローはほとんどのネタを一皿105円で提供している。原価率を5割と高めに設定し満足度を高め、リピート率の向上を図っている。

 このため必要となるのが、ネタをよく見定めて発注することと、仕入れた後にタイミングよく解凍すること。これらが利益を左右する。

 このために導入したのが「回転すし総合管理システム」である。来店した顧客は、入り口のタッチパネルにグループの人数、大人・子供の人数を入力し番号札を受け取る。店員が顧客を案内する際、システムに着席位置を入力する。

 こうしてレーンごとの顧客の数などを把握したうえで、グループごとの食欲を独自に数値化した「喫食パワー」として算出している。例えば、着席直後は食欲が旺盛でパワーが高く、中トロやサーモンなどの人気のあるネタを多く注文する。一方で満腹になるにつれて、デザートなどに移行していく。流す皿や量を変えるなどで、パワーが大・中・小、それぞれの顧客に過不足がないように対処する。

 全部の皿にICタグがつけられており、どの時間帯にどのネタがどれだけ売れたのかを単品で管理している。

 これらの実績データと現在の状況を掛け合わせることで、喫食パワーについて、1分後、15分後を割り出す。これによって、ネタを冷凍庫から出して解凍するのかなどを判断する。

 さらにネタの仕入れを精緻化するため、売り上げデータを分析するBI(ビジネスインテリジェンス)のシステムを導入した。年間約10億件のデータが集まってくるため、過去1~2年の状況を分析するには、20億~30億件のデータを高速に処理する必要がある。

 そこで米アマゾンウェブサービスのクラウド基盤で、ウイングアークのBIシステムを稼働させることにした。地域や店舗、季節ごとにデータを分析して可視化。それまで社内や店内で語られてきた“都市伝説”をデータで裏付けたり、修正したりしている。

 あきんどスシローは積極的な出店戦略を続けている。判断力が高い店長人材を確保するのが難しくなっており、システムでの支援を強化している。