鳥取県は、経済構造の把握や生産波及効果の計算などに利用する「産業連関表」の作成期間短縮や精度向上のため、ビッグデータを活用している。

 鳥取県は、経済構造の把握や生産波及効果の計算などに利用する「産業連関表」の作成期間短縮や精度向上のため、ビッグデータを活用している。

 産業連関表は、様々な統計データを掛け合わせて作成する。作業に時間がかかるため、5年ごとに5年前のデータを発表せざるを得ない。つまり、現在の経済状況を反映できていない。鳥取県はビッグデータの活用で、5年以上先の産業連関表の作成を目指す。農業や製造業、情報通信業などそれぞれの産業ごとに、県内外のどの産業と取り引きをしているのかをマトリックス形式でまとめる。

 産業連関表は以下のような統計データを集計して、5年ごとに作成している。

  • 財貨・サービス520品目の県内生産額を推計
  • 一般政府消費支出、民間消費支出、県内総固定資本形成など最終需要部門の推計
  • 雇用者所得、営業余剰など粗付加価値部門の推計
  • すべてのデータを部門表に統合し補正・調整

 こうした作業を県の職員1~2人が約3年がかりで算出する。基礎となる統計の作成に2年かかるため、約5年間のロスが生じてしまう。例えば、2010年末(平成22年末)に公表した産業連関表は2005年(平成17年)のデータである。リーマンショックや大手電機メーカーのリストラなどの影響が盛り込まれていない。

 こうした状況を解消するため東京大学と連携して、過去の産業連関表の推移などから将来のデータを導き出す手法を検討。平成32年(2020年)の産業連関表を2013年度中に算出する計画だ。

 今後、見込まれる環境変化を予測することで、将来の産業連関表を作成する。具体的には過去の産業連関表の推移、政策の変化、技術の変化、社会・経済情勢の動向、などを考慮する。

 ビッグデータを活用することで、経験的であったり政治的なものから、データの裏付けのある政策立案・実行へと転換することになる。算出・予測には住民や企業から取得したロー(生の)データが使われるため、特定の個人や企業のセンシティブなデータが出現しないようにする必要があるといった課題もある。

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