大阪ガスでは、約10人のデータサイエンティストを擁するビジネスアナリシスセンターが、社内の事業部門などに対して年間約100件のソリューションを提案している。

 大阪ガスでは、約10人のデータサイエンティストを擁するビジネスアナリシスセンターが、社内の事業部門などに対して年間約100件のソリューションを提案している。

 例えば、顧客から依頼があったガス機器の修理に必要となる部品の予測、修理に向かう車両の出動体制指示、当直社員のシフト編成の自動化といったシステムの構築で次々に成果を出した。

 修理部品の予測システムでは、「火がつかない」「異音がする」など顧客の問い合わせ内容を入力すると、現場で必要になるであろう部品を、数十万点からトップ5に絞ることができる。部品を取りに戻って後日修理に行ったり、不要な部品を毎回大量に携行したりするムダを省くことができた。

 このシステムでは、一見関係のなさそうな「気象」と「故障」のデータをかけあわせているのも特徴だ。気象予報士であるデータサイエンティストが、10年間で400万件ある修理データと気象との相関を見いだした。その日の天候に、故障の症状、使用年数などを掛け合わせて、必要となる部品の予測ロジックを構築した。

 同社が重要指標としている、修理の「即日完了率」は78%にできた。およそ5年間で20ポイント以上も引き上げることに成功した。ガスを利用する顧客の満足度を高めることで、オール電化への乗り換えを防ぐ狙いがある。

 ビジネスアナリシスセンターはシステム部門である情報通信部に2006年に設置した。各データサイエンティストは研究開発部門の出身者が多い。同センターは独立採算性で、各事業部門から分析などの作業に必要なコストを受け取り、案件ごとに評価される。

 大阪ガスのデータサイエンティスト部隊は、利用部門との連携を強化してきた。分析結果を一方的に提示するのではなく、現場に出向いてデータと利用部門が持っている経験値とのすり合わせを重視している。こうすることで利用部門がデータや解析結果を受け入れやすくなり、分析文化が根付いた。

この記事をいいね!する