インターネット接続と映像コンテンツの提供を手がけるNTTぷららは2012年秋までに約半年かけて、データ分析の専門人材であるデータサイエンティストを2人育成した。全社に分析文化を根付かせて継続的に効果を出していくため、同社のシステム部門である技術本部技術開発部が主導した。

 インターネット接続と映像コンテンツの提供を手がけるNTTぷららは2012年秋までに約半年かけて、データ分析の専門人材であるデータサイエンティストを2人育成した。全社に分析文化を根付かせて継続的に効果を出していくため、同社のシステム部門である技術本部技術開発部が主導した。

 育成の成果は1~2カ月のうちに出た。サービスを解約する可能性が高い顧客向けの引き留め策(リテンション)の効果を高めることに成功。特定の理由による解約を1割以上抑えることができた。顧客の行動とコンテンツ視聴の関係をより個別に把握することで、数種類のコンテンツについて視聴率や購入率の指標が2倍以上になった。

 こうした成果が経営層にも認められて、分散処理ソフト「Hadoop」を採用した大規模な分析システムを2013年度に導入する投資を決定した。

 データサイエンティストの育成ではEMCジャパンの育成プログラムを活用し、技術開発部の2人が約半年の研修を受けた。データ分析の手法や予測モデルの設計、ツールの使い方、社内調整の仕方や分析結果のプレゼン方法などを学んだ。費用は1000万円前後である。分析用のサーバーやツールは流用したり無償のものを極力利用し、初期投資を抑えている。

 全社に分析のメリットを説いていく過程で、社内で使われているKPI(重要業績指標)の標準化にも取り組んだ。例えば、同社のビジネスで重要な指標である「会員数」は、営業部門は「申し込みを受けて受注システムに登録した累積数」と定義しているのに対し、事業戦略部門は「無料期間を終えて有料課金に移行した累積数」とズレていた。これに対して、会員数を「有料会員」と「無料会員」に分けて再定義することで、合意を形成することに成功した。

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