村田製作所は2011年10月、大容量のデータを製品の品質向上に役立てる新たな解析システムを導入した。設計情報や材料情報、各種生産設備から収集した生産時点情報など幅広い情報に基づき、品質を高めるうえで最も効果的な要因を突き止められるのが特徴。積層セラミックコンデンサなどの良品率が上がり、ロスが減ったことでシステム投資を回収している。

 村田製作所は2011年10月、大容量のデータを製品の品質向上に役立てる新たな解析システムを導入した。設計情報や材料情報、各種生産設備から収集した生産時点情報など幅広い情報に基づき、品質を高めるうえで最も効果的な要因を突き止められるのが特徴。積層セラミックコンデンサなどの良品率が上がり、ロスが減ったことでシステム投資を回収している。

 材料となるチタン酸バリウムの生産など、積層セラミックコンデンサをはじめとする同社の主力製品の生産工程は約30工程に及ぶ。その各工程で使う設備のセンサーから、材料の粘度や温度、圧力、ロット番号といった生産時点情報をおよそ100項目集めている。1カ月あたりに生産する製品は、スペックや納入形態によって分類した「品名」にして約10万種類。テラバイト規模で蓄積したこれらのデータと、各種製品の設計情報および材料情報を解析システムに取り込み、製品品質の改善に活用している。

 新システムではデータ量増加に伴う処理性能低下の制約を解消。全データを用い、一切の“先入観”を持たずに品質に効く要因を網羅して解析できるようになった。その結果、従来は必ずしも最重要視していなかった要因の影響度が大きいことが、品名ごとの特性に応じて明確に把握できるようになった。新システムにはSAS Institute Japanの解析ソフト「SAS Quality Lifecycle Analysis」を利用している。

 村田製作所は以前から、多種かつ多量の生産時点情報を蓄積してきた。だが、データ量がギガバイト規模になるとシステム性能が著しく低下するという制約があった。そのため、品質に与える影響が最も大きいと見られる要因を事前に想定したうえで、蓄積したデータから解析に必要なものをあらかじめ抽出して使用していた。