JRの駅における自動販売機の運営を手掛けるJR東日本ウォータービジネスは、販売データなどの分析によってヒット商品を誕生させることに成功した。年間2億本にのぼる販売データと、購入に利用する電子マネーから得たデータを組み合わせて分析することで、これまで気付かなかった大きな顧客ニーズが浮かび上がったという。

 JRの駅における自動販売機の運営を手掛けるJR東日本ウォータービジネスは、販売データなどの分析によってヒット商品を誕生させることに成功した。年間2億本にのぼる販売データと、購入に利用する電子マネーから得たデータを組み合わせて分析することで、これまで気付かなかった大きな顧客ニーズが浮かび上がったという。

 JR東日本ウォータービジネスは2009年から、交通系ICカード「Suica」による決済端末「VT-10」を自販機に搭載し始め、POS(販売時点情報管理)データを取得している。Suica決済機能を持つ自販機はおよそ6800台。こうした自販機における決済方法を調べたところ、Suicaと相互利用が可能な「PASMO」などの利用を合わせると、電子マネーの利用比率は46.1%に達する。このうちJR東日本の「Suicaポイントクラブ」の会員については、Suica1枚ずつに付与した固有の発券者採番番号「IDi」とひもづけて性別や年齢、居住地などのデータを組み合わせることができる。

 「何が何本売れたか」といったシンプルな販売データと購入者の属性を合わせて分析できるようになった結果、購買の傾向が見えてきた。例えば、朝は水やお茶が、夕方は炭酸飲料や果汁飲料がよく売れるといった傾向が確認された。

 ただし、これは想定の範囲内。ヒット商品の誕生に役立ったのは、“想定外”の傾向である。具体的には、夕方に甘い飲料を購入しているのは女性よりも男性、それも30~40代ということが分かった。

 このことから、「夕食前に小腹を満たしたいという男性のニーズがありそうだ」と判断した同社は、飲料メーカーと共同でりんごジュースを開発。商品パッケージの工夫も手伝い、ヒット商品になった。

 JR東日本ウォータービジネスは現在、大きめのタッチ画面を内蔵した自販機の導入を進めている。自販機の前に立つ人の顔から性別や年代を判別し、おすすめ商品を表示するデジタルサイネージ機能を備えたものだ。これをSuicaのIDと掛け合わせることで、売れ筋をさらに正確に予測できると期待している。