コマツは建設機械の稼働状況を一元管理する「KOMTRAX」システムを構築し、顧客の運用支援に活用している。全世界6万台以上の建設機械から、通信回線経由で情報を収集している。顧客の支援だけでなく、コマツ自身の経営戦略にも活用する。

 コマツは建設機械の稼働状況を一元管理する「KOMTRAX」システムを構築し、顧客の運用支援に活用している。全世界6万台以上の建設機械から、通信回線経由で情報を収集している。顧客の支援だけでなく、コマツ自身の経営戦略にも活用する。

 KOMTRAXは建機の位置、稼働時間、動作モードなどの稼働状況、燃料の残量、消耗品の状況などを携帯電話網や衛星データ通信で取得し、顧客に対して情報を無償で提供している。

 顧客はPCなどから、「冷却水のレベルが低下」「エンジンオイルのフィルター交換時期が来た」といった建機のメンテナンス情報を見ることができる。「冷却水のレベルが低下」といった事態に対して、どのような処置をすればいいのかといった情報も提示し、センター側から操縦者に適切な指示が下せるようにしている。また、消耗品の交換時期を提示することで、故障を未然に防ぐ。

 車両管理の機能では、所有している建機の場所や稼働の状況が一覧できる。稼働管理の画面では、時間帯や燃料の残量や水温なども記されるため、作業日報としての利用も可能だ。

 コマツはKOMTRAXで取得した各種データを分析することで付加価値を高めている。例えば、機種によっては月間の燃料消費量や二酸化炭素の排出量を集計でき、1時間当たりの燃料使用量などを記した「省エネ運転支援レポート」を提供する。建機が動いていないのであれば、作業をせずにアイドリングをして燃料を消費しているといったことを顧客にアドバイスできる。燃費が2~3割下がるケースもある。

 また、世界中の建機の稼働状況から、その地域の経済の先行きを分析したり、建機の生産や在庫を調整したりしている。

 KOMTRAXには盗難・悪用防止のため、GPS(全地球測位システム)で場所を把握するだけでなく、遠隔から動作をロックする機能がある。

 中国においては個人事業主が割賦で建機を購入することが多い。そうした建機の稼働状況から、顧客のビジネスの状態も分かる。例えば、支払いを滞らせているにもかかわらず、建機が稼働しているのであれば、エンジンを止めてしまうといった対応がとれる。こうした仕組みがあるので、与信リスクから他社が避ける顧客に対しても販売できる。

 コマツは2013年度からKOMTRAXに新機能「KOMTRAX Parts」を盛り込み、導入を進めている。同機能は、部品にICタグを取り付け、部品の使用状態や交換履歴を把握するためのもの。まず中国で展開を始める。部品交換などアフターサービスだけでなく、純正品の納入拡大にもつなげる。

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