横浜銀行はEBM(イベント・ベースド・マーケティング)と呼ぶシステムを活用し、主要顧客の入出金や金融商品の購入履歴などを分析、窓口や訪問先での営業活動に役立てている。2013年度中には京都銀行など地銀6行でEBMシステムの共有も開始する計画だ。

 横浜銀行のEBMシステムは、まずデータベースに蓄えた大量の情報から、顧客のニーズや属性の変化を「イベント」として見つけ出す。イベントとは、「退職金を受け取った」「教育費の支払いを終えた」といった、顧客にとって大きな転機となるもの。このタイミングで、渉外担当者に金融商品のセールスを促すなど、重要な気づきを与える。

 EBMシステムを使うことで、優秀なベテランの渉外担当者であれば当たり前に気づくようなことを、入行したてでノウハウの蓄積の足りない営業担当者でも実行できるようにする。また、ベテランの担当者であっても、担当する顧客が多かったり、慣れない新商品を扱う場合であれば、EBMシステムを使うことで機会損失を減らすことができる。

 同行のEBMシステム活用の例として、「退職金を入金した顧客に、すぐに資産運用を勧める」というパターンがある。これを実現するには、「退職金を入金した」というイベントを的確にとらえる必要がある。そのために、「50~65歳の顧客が一定額以上の入金をした場合、それを退職金と判断する」という情報判定ロジックを組み込んだ。退職金の入金だとシステムが判定した場合、メッセージを端末上に表示して渉外担当者に知らせる。

 横浜銀行は2008年1月にシステムを導入した。こうした取り組みの結果、横浜銀行の投資信託・保険商品の販売額は2011年4~12月期に過去最高を更新するなど販売を伸ばしている。

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