タワーレコードは2012年秋、オンライン販売におけるキャンペーン管理の新システムを導入し、販売サイトを全面的に刷新した。従来からあるコンテンツなどの商品ごとだけでなく、顧客を中心とした“勘定”を採用。データ分析を活用することで、同社の収益に貢献する顧客をどのように維持して育成、獲得していくのかを戦略的に立案し実行している。

 データ分析を本格的に開始するにあたり、まず顧客の状況を調べてみたところ、上位3割の顧客で全体の8割を売り上げていることが判明。そこで、この3割の顧客の維持と、潜在的にこの層になり得る既存顧客へのプロモーション、新規顧客の開拓に注力していく戦略を立てた。

 戦略を実行するにあたって、顧客を購買行動から「シングル」「アルバム」「クラシック」などの9つのセグメントに分類。また購入額や会員登録の状況、最近の購入状況などから「S」「A」「B」「C」の4つのステータス(ランク)に分けた。

 システムとしては日本IBMの販促キャンペーン向けCRM(顧客関係管理)ソフト「IBM Campaign」をマーケティング部門の主導で導入した。来月が誕生日の顧客に対して「お誕生日クーポンメール」、前回から一定期間注文していない顧客に対して「サンクスクーポンメール」を配信することにした。

 こうした施策を繰り返すことで、顧客が“眠ってしまう”ことを防ぐ。一度、注文しなくなって一定期間が経過してしまうと、その顧客が戻ってくるケースは少ないからだ。上記のようなデータ分析に基づく販促キャンペーンにより、通常1%台だったクーポンの使用率が4%に向上。顧客をより高いステータスにとどまらせることにつながった。

 お誕生日クーポンは経験的にレスポンス率が1%とされているが、過去1年で1回以上の購買実績がある「アクティブ顧客」はクーポン使用率が10%強となった。1年購買実績がない「ノンアクティブ顧客」でもクーポン使用率1%を達成した。

 こうした取り組みによってオンライン販売は、2012年度に前年度比180%と成長した。2013年度は127%の成長を目指す。