東京都が英国Fintech企業の誘致を検討していることが明らかになった。

 東京都は現在、東京圏国家戦略特区やアジアヘッドクォーター特区の活用によって、外国企業の誘致や国際的なビジネス環境の充実に取り組んでいる。英国Fintech企業の誘致はその一環。アクセンチュアとともに、英国企業へ日本の金融・Fintech市場に関する情報提供や日本市場への助言などをしている。

 英国大使館・貿易投資総省は2015年11月30日から12月4日、英国Fintech企業10社を日本に派遣。12月3日に英国大使館大使公邸で日本企業に向けた、「英国フィンテックセミナー」を開催し、訪日した10社が講演をした。

 東京都は英国Fintech企業に何らかの形で接触したもよう。外国企業の誘致活動に取り組む、東京都政策企画局調整部の安達紀子・国家戦略特区推進調整担当課長は「英国政府がFintech企業を日本に派遣することを知り、当方から英国大使館に連携を申し入れた。今後は、Fintech企業に限らず英国企業の誘致を検討したい」と話す。

 今回プレゼンした10社のうち、PaysafeとWorldRemitの2社は既に日本に拠点を持つ。検討中と説明したのはMoney Moverなど2社。

決済、送金サービスを国際展開

 Paysafeは、プリペイド型のモバイル決済サービスや、電子財布サービスなど複数のサービスを提供。200を超える国と地域で展開している。使える通貨は41、対応言語は22。年間数十億米ドルを動かしているという。2015年10月設立のPaysafe Japanの溝江茂雄代表は本誌の取材依頼に、「東京オフィスでは、資金決済法上の資金移動業者としての登録を行うべく、鋭意手続き中」とメールで伝えてきた。

 WorldRemitは、スマホアプリなどで国際送金ができるサービスを展開。52カ国から125以上の国と地域へと送金できる。銀行窓口が閉まる平日の午後3時以降や土日も使える利便性や安さに強みがあるという。

 MoneyMoverは中小企業を対象に外貨両替や国際決済サービスを展開。通貨決済と振替において、銀行送金に比べて最大90%のコストを削減しているという。

 英国Fintech企業がアジアヘッドクォーター特区を活用できれば、無償で経営コンサルティングが受けられるほか、拠点を設ける際に要した人材採用経費などの2分の1(500万円の上限)の助成を受けられる。特区内にあるオフィス賃料が最大1年間半額となる物件の紹介を受けられ、税制面でも優遇される。