国内警備第2位の綜合警備保障(ALSOK)は2年後をメドに、全国に13カ所ある同社本体のガードセンター(監視センター)を東西2カ所に集約する。しかも、経験の浅い監視員でもベテラン並みの対応ができるようにして、サービスの品質向上とコスト削減を実現するという。昨年7月から関東圏の一部のガードセンターで導入が始まった「監視ナビゲーション機能」が実現のカギを握る。

 ガードセンターには24時間365日、監視員が待機している。警備している建物や設備に搭載されたセンサーが反応して警報が送られてくると、その内容に応じて監視員がしかるべき機関に順次通報していく。警報の種類は、火災や防災、防犯、非常通報など様々。例えば、火災警報の場合なら、所轄の消防署や火災が発生したビルのオーナー、あらかじめ登録している緊急連絡先などに、優先順位が高い順番に通報していく。

 どこにどういう優先順位で通報したらいいか、警備の契約事項や警報の重要度、警備先の位置(地域)関係などに応じて監視員の行動パターンが決まっている。監視ナビゲーション機能がないガードセンターでは、監視員がパネルに記されたマニュアル文書を見ながら対応している。

 経験が浅い監視員の場合は、ベテランのバックアップがないと適切な対応ができないケースがあるという。それこそ「ベテラン社員が何人もよってたかってサポートしている場合もある」(開発技術部開発第一課の地頭正樹課長)というのが実態だった。業種や地域などによって様々な対応のルールがあり、顧客によって対応を変えている。従って、ノウハウを知っているベテランのサポートが必要になるケースがあるというわけだ。

判断は人からシステムへ

 昨年から導入しつつある監視ナビゲーション機能のポイントは、人からシステムの判断に切り替えている点だ。具体的には、警報が送られてきた直後に監視員がやるべき行動がパソコン画面上に表示される。監視員はその指示通りに行動すればいいので、ベテラン社員を頼る必要はない。しかも行動のスピードが上がっているという。その結果、1人当たりの監視件数は増えており、これまでに比べて約1.5倍になったという。

 監視ナビゲーション機能は、顧客ごとに違う契約事項や警報重要度などを考慮しているほか、過去から積み上げてきたベテラン監視員のノウハウを盛り込んである。現状ではまだ取り入れていないが、将来的には機械学習の採用も検討している。そうなると、「業務を回せば回すほど、監視ナビゲーション機能が賢くなっていく」(地頭課長)という。

 監視ナビゲーション機能には、警備員が現場に急行する「駆け付け指示の自動化」があるが、既に2007年から導入されている。なお、ALSOKが契約している警備先の件数は2015年3月末時点で、約50万件。1年間に発生する信号は警報も含めて約8億件と推定されている。

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