三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、専門組織と各事業部門が協働してデジタル技術の活用による業務改革に取り組んでいる。推進部門は5月にデジタルイノベーション推進部からデジタル企画部に衣替えし、人員は四十数人から六十数人へと大幅に拡大した。

 MUFGは、リテールや法人、国際、市場といった各事業分野で業務改革を進めている。2024年を見据えた事業戦略「再創造イニシアティブ」の一環だ。

 中でもデジタル技術を活用した業務改革に注力。経営企画や人事などと同じコーポレートセンター(CC)部門に所属するデジタル企画部が、各事業部門と協働しながら取り組んでいる。

 デジタル企画部は5月、MUFGで主にFintech分野を担当してきたデジタルイノベーション推進部をベースに新設された部署だ。

 デジタルイノベーション推進部の設立は2015年5月。2000年7月設立のIT事業部を改組したもので約40人の専任社員で固められていた。行内対応や調査、オープンイノベーションを担当する企画グループ、主にリテール関連担当の第1グループ、法人や国際担当の第2グループで構成されていた。

 当時は、事務やシステムに関する部署が所属しているコーポレートサービス部門に所属していたが、今年5月にデジタル企画部になり、CCに所属替えとなった。

 デジタルイノベーション推進部の時代においても、各事業部門に技術的な観点から業務改革などを提案していたが、デジタル企画部になり部署の位置づけは大きく変わり、主体的にMUFGの業務改革を推進するようになった。

異動や兼務者で拡充

 推進力を高めるために、各事業部門との連携を強めた。同部の企画グループ内にPT(プロジェクトチーム)をつくり、各事業部門からメンバーを異動させたり、兼務社員を参加させたりした。その結果、人員の大幅拡充となった。

 リテール部門や法人部門、国際部門など、事業部門ごとに抱える課題は異なる。そこで、事業部門の課題をよく理解しているPTメンバーが意見を出すことで、効率化がどんどん進むことになる。

 今後、社員数が多い1980年代後半から90年代前半に入社した層が数千人単位で減っていくなか、MUFGの経営陣はベテランがいなくなるという事態を心配している。

 そのために人の代わりに機械ができる業務は極力、機械に置き換えることで業務効率化を図ろうというのが今回のプロジェクトの趣旨だ。一部は人工知能(AI)で代替できる業務があるはずと見ている。

 効率化が進めば、残業も減ると期待されている。デジタライゼーションは、MUFGが同時に進めている働き方改革ともよくマッチしている。