有料多チャンネル放送「スカパー!」のカスタマーセンター業務を手掛けるスカパー・カスタマーリレーションズ(SPCC、東京都品川区)は今年4月、顧客からの問い合わせや新規の申し込みを受け付けるシステムを刷新。このほど本格的な運用を始めた。

 「これからはコールセンターも顧客の最前線として、ビッグデータを分析し活用し、売り上げ増に貢献していかなければならない」。SPCCの出水啓一朗社長はシステム刷新の狙いをこう語る。

 これを実現するために導入したのが「コールリーズンシステム」である。これまでSPCCのコールセンターでは、顧客と会話する担当者がクレームなど通話の「分類」を選択して記録していたが、詳細の「理由」までは記録できなかった。新システムでは顧客と担当者の会話を音声認識でテキスト化して要約。時間軸で会話をテキストデータで追うことも可能になる。

 顧客管理システムの情報と紐付けて、それらの情報を検索したりダッシュボードに表示したりできるようにした。顧客管理システムと結び付いたことで、ある行動をとった顧客が一定期間後にどういった契約行動に出ているのかも把握できる。

テキストデータは7年間保存

 SPCCには月40万件の問い合わせがあり、翌営業日までにテキスト化する。音声は6カ月、それを要約したテキストデータは7年間保存する。テキスト化することでストレージを圧迫せず、より長期にデータを保存し検索できるわけだ。

 これまではオペレーターが「○○はお好きですか?」と聞かないと顧客の嗜好は取りにくかったが、「今後は会話の中から自動でピックアップして活用していく」(出水社長)。より詳しい顧客の情報がテキストに情報として残っているので、後から分析の手掛かりともなる。

 会話内容をクラスタリング分析することも検討している。購入に結び付く顧客の嗜好を見いだせれば、新たなチャンネルなどコンテンツを売り込めるかもしれない。

 新システムは管理にも活用する。グループを管理するスーパーバイザーはそれぞれの担当者がきちんと対応しているか、言うべきことを言っているかどうかを確認できる。

 システムは野村総合研究所(NRI)が製品を組み合わせて構築した。例えば、要約やテキストマイニングはNRIの「TRUE TELLER 」、音声のテキスト化はアドバンスト・メディアの「AmiVoice Communication Suite」を採用した。目下の課題はテキストデータに対する辞書機能の拡充だという。例えば、人気バンドの「Mr.Children」であれば顧客は「ミスチル」とも発言するからだ。

 コールリーズンのデータを分析するためBIツールを導入し、1人の担当者が分析している。システムの総投資額は2億~3億円程度とみられる。