企業向けビッグデータの生成・提供とサービス企画・開発事業を手掛けるダブルスタンダードは8月10日、エリア検索サービス「Worrino(ウォリーノ)」の提供を始める。同社初の消費者向けサービスで、ネット大手も手掛ける激戦分野だが、中島正三取締役は「『情報量』と『見やすさ』が違う」と自信を見せる。

 Worrinoは「カフェ」「ガソリンスタンド」など行きたいスポットをキーワード入力すると、近隣の施設情報を地図上に一覧表示するサービス。8月にWebサイトを開設し、今秋にはスマートフォンアプリでも利用できるようにする。

 「情報量」を確保するために、カフェ・喫茶、観光、スポット、地域施設などの約140分野のポータルサイトなどをクローリングして情報収集する。Worrinoは集めた情報を検索可能にして、クーポンを利用したい人などを各サイトへ誘導する検索サービスの位置づけだ。

 「見やすさ」を高めるためには、収集した情報を名寄せして、全データに緯度・経度情報を付与して、統一的な形式に加工する。その結果、カフェ・喫茶店であれば、クーポン、Wi-Fi、オープンテラスなどの有無や、乳児の入店OKなどといった条件で絞り込める。一つの店舗に関して、様々なサイトに載っている情報を統合している。

 ダブルスタンダードが企業向けの既存事業で培ってきたクローリングとデータクレンジングの技術を転用した。同社は競合企業のサイトに掲載された情報の分析サービスなどを企業向けに提供してきた。

 Worrinoでは広告で収益を上げるほか、提携サイト・アプリ内でもエリア検索を利用可能にして、提携先の利用者拡大を支援する。

会員向けに行政情報をメール配信

 無料の会員向けサービスも提供する。Worrinoでは行政関連情報も対象としており、乳幼児の予防接種や様々な補助金などの情報を検索可能にしている。会員には居住地域や子供の年齢に応じた情報を抽出してメールで配信する予定だ。

 中島取締役は、「億円単位の投資はあるが、サーバー代金などは既存事業と兼用するため月々の支出は500万~600万円程度。100万ユニークユーザー程度ならすぐ獲得できるので赤字にはしない。運営経験を新たなBtoBサービスの開発に生かしたい」と展望を語る。

エリア検索サービス「Worrino」は、各種ポータルサイトからの情報クローリングでサービスを運営
エリア検索サービス「Worrino」は、各種ポータルサイトからの情報クローリングでサービスを運営
この記事をいいね!する