ドコモ・バイクシェア(東京都墨田区)が東京都の7区で展開している電動アシスト自転車のシェアリングサービス「コミュニティサイクル」が急成長している。自転車の台数は昨年の2000台から4200台超になり倍増した。利用回数も昨年は180万回で前年比3倍近く伸びている。

 展開地域は、千代田区、港区、中央区、江東区、新宿区、文京区、大田区の7区。大田区を除く6区の4110台では、区を越えた地域での利用を認める広域実験を実施しており、利便性が向上している。いずれ大田区も広域実験に加わる可能性もあるとみられている。

 昨年の利用回数は都内で180万回。2015年の利用回数が66万回だったので、1年間で3倍近い伸びを示している。ちなみに、2014年は32万回だった。「今年も昨年を上回る勢いで利用回数が増えており、交通インフラになっている」(ドコモ・バイクシェア)という。

コミュニティサイクルの利用回数は急増している
コミュニティサイクルの利用回数は急増している

 利用回数の増加に伴い、台数は数年で1万台を超える可能性が出てきた。約1万台のニューヨークやロンドン並みになり、自転車の利用が加速する見込みだ。ちなみに、パリでは2万台超の自転車がシェアリングされているという。

 利用料金は1回会員の場合、最初の30分は150円(税別、以下同)。それ以降は30分当たり100円を支払う。月額会員は1カ月2000円の基本料を支払えば、1回当たり30分以内であれば0円。1日何回も利用できる。

土日の稼働率向上へ観光活用を推進

 ドコモの自転車シェアリングは、通勤や客先回りなど平日の利用が多い。昨年、ドコモ・バイクシェアは法人会員向けのチームを発足。数百社が法人会員になっている。

 そこで、最近力を入れているのが土日の利用を増やすこと。ドコモと業務提携している近畿日本ツーリストが、観光での自転車シェアリングの活用を推進している。

 区から受注する自転車のポートを、ホテルや観光施設に設置するべく動いている。ロイヤルパークホテル(東京都中央区)やスマイルホテル日本橋三越前(東京都中央区)など12カ所のホテルにポートができるようになった。スペースの関係でポートを設置できなくても、フロントで1日パスを販売するホテルは28カ所に増えた。

 1日パスは2160円。ホテル側と近畿日本にそれぞれフィーが入る仕組みだ。フィーの金額は公表していない。

 近畿日本のグループ会社であるクラブツーリズム(東京都新宿区)は、観光客向けに自転車を活用する「サイクリングの旅」を提供し、自社で自転車を保有・管理していた。しかし、ドコモ・バイクシェアのコミュニティサイクルを活用することで、保有・管理コストがなくなった。さらに、シェアサイクルは借りた場所に返さなくていいため、ツアーの出発地と解散地を異なる場所にできる。そのため、より広域にツアーが組めるようになった。

 クラブツーリズムは、東京マラソンのコースを回るツアーなども企画している。インバウンド需要も意識し、今後個人旅行が増えると見込む中国人観光客に、自転車ならではの観光スポット巡りができるツアーを提案していく。そのコース作りに、これまでの自転車の走行データを活用する。

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