再建に取り組むメガネスーパーの全社員には毎朝メールで、前日までの実績と予算の進捗率などのデータが示される。束原俊哉取締役執行役員は、「全社員が日次の数字を毎日見ることが大切だ」と言う。何か異常があれば、直ちに察知して改善策を打てるようにするためだ。

 メガネスーパーはBIツールを全社展開して、本社と全国300店舗の全社員が情報を共有する会社として知られている。2012年に投資ファンドのアドバンテッジパートナーズの傘下に入った時から、「KPI(重要業績評価指標)を利用したマネジメントが不可欠」(束原氏)と考えてきた。

 2014年度に同社は、レンズの完全有料化や店舗のリロケーションなどの経営再建の施策を次々に打った。KPIは新しい施策の効果を測定し、経営再建が正しく進んでいるのかを確認する仕組みとして役立った。

不採算店の比率が半減

 2015年4月期決算で最終黒字への転換は果たせなかったが、明るい兆しも見えている。今年3月と4月に単月の営業黒字に浮上。不採算店舗の比率も今年4月末には18.5%と、1年前の40.1%と比べて大きく低下した。

 同社が利用しているKPIは図に示したように、店舗向けと本部向けの2つに分かれている。KPI開発にあたって、3つの基本的な考え方があった。1つ目は、「店舗の業績を日次で把握する」というもの。データが古くては正しい判断ができないからだ。店舗が導入しているPOS(販売時点情報管理)のデータを本社の基幹システムで集計し、BIツールから参照できるようにしている。実際は日次どころか当日のデータまで本社から現場へメールで連絡している。

 2つ目は店舗の側で俊敏な判断を下せるようにすることだ。同社は売り上げよりも利益を重視する方針を打ち出している。店舗の側でも粗利を基本にした品揃えをする必要がある。また、今の売れ筋の商品がどれであるかを把握して、欠品を防ぐために場合によっては店舗同士が在庫を融通する。こうしたことを店舗の側で判断できるようになることが期待されている。

 3つ目は「顧客」を軸にした分析ができるようにすること。同社には600万ユーザーの顧客データベースがある。オムニチャネル戦略を進める同社にとって、顧客データベースの活用がますます重要になりつつある。「DMのROI(投下資本利益率)が1週間で100%を上回ることがある」(束原氏)などマーケティング力強化の面でも手応えを感じている。

メガネスーパーのKPIの体系
メガネスーパーのKPIの体系
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