ナビタイムジャパン(東京都港区)は、電車乗換案内アプリ「乗換NAVITIME」の「電車混雑予測」機能を大幅にリニューアルした。同機能を地図や徒歩ナビゲーション機能も備えたアプリ「NAVITIME」でも提供開始。オープンデータなどで開発した独自機能を訴求し、アプリ利用者の獲得を加速させる。

 4月19日、混雑度を推計する路線をこれまでの16路線から、首都圏主要54路線に拡大させた。新たに山手線や埼京線、中央線、京浜東北線といったJR各線、東京メトロ、都営地下鉄、私鉄各線などが加わった。

経路検索の結果画面に、所要時間や料金、乗換回数に加えて混雑のレベルを表示
経路検索の結果画面に、所要時間や料金、乗換回数に加えて混雑のレベルを表示

 さらに、ルート検索結果上に6段階の混雑アイコンを表示するようにした。混雑アイコンとしては、混雑のため乗車が困難な「乗れない」、車内が非常にきつい状態である「身動きできない」、多くの人が乗っており圧迫される「圧迫される」、つり革につかまることができる「立って乗車できる」、座席はほとんど埋まっている「席はいっぱい」、座席に空きがある「座れる」の6つに分類している。

 経路検索を行うと、出発駅や乗換駅などで乗る電車の混雑レベルが分かる。これまでは出発駅から目的駅までの所要時間、料金、乗換回数でどの電車に乗るか、判断していたが、混雑状況を考慮できるようになったというわけだ。「混雑を避けて乗るようになれば、利用者が快適に電車を利用できるようになるとともに、混雑解消につながると考えている」と、ナビタイムジャパン 交通コンサルティング事業の太田恒平チーフエンジニアは話す。

駅間の混雑レベルをグラフで表示
駅間の混雑レベルをグラフで表示

 さらに「この路線の混雑具合」をクリックすると、駅間の混雑状況のレベルがグラフで分かる。板橋駅と新宿駅の間は、「乗れない」状態であることが分かる(右画面)。

独自調査で相互接続後の変化も把握

 ナビタイムジャパンは、混雑状況のレベルを決めるために「電車混雑シミュレーション」を独自に開発した。

 推計に利用する主なデータは、実はオープンデータだ。現在は「平成22年第11回大都市交通センサス調査結果」を利用している。国土交通省が5年ごとに鉄道事業者などを対象に実施。ナビタイムは同調査から、1駅ごとに朝利用した乗客の数を使っているという。

 ただし、データそのものは古い。その後に東京メトロ副都心線と東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線との相互接続(2013年3月16日)や上野東京ラインの開業(2015年3月14日)があった。そこで、シミュレーションの精度を上げるために、2015年度の下半期に混雑度を推計する上で重要な駅に出向いて、乗客数を独自に調査した。今年3月のダイヤ改正も反映させている。

 こうしたオープンデータと独自データを基にしたシミュレーションの結果、電車1本1本、1駅ごとの混雑を予測。午前6時半から10時までの「朝ラッシュ」方向のある時間にどの駅とどの駅間にどのくらいの人数が乗っているかを算出した。

 なお、混雑度の推計にあたり、NAVITIMEアプリ利用者の位置データは利用していない。同アプリでユーザーの位置情報を取得するのは、地図などを開いている時に限られるからだ。普段の通勤の移動をとらえることが難しいと判断したという。過去の利用統計に基づく推計なので、例えばイベント開催などによる突発的な混雑は電車混雑予測に反映されない。

 また、現状は平日の通勤・通学時間のみの対応である。今後、対象路線と対象時間帯の拡大を目指す。

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