大和ハウス工業、ソニーモバイルコミュニケーションズ、スポーツクラブNASなどは、共同で人工知能(AI)を活用したサービスを提供するマンションを開発した。ウェアラブル端末で運動の状況を把握し、AIが各住民に適切な運動メニューを提案する。各社がそれぞれの分野のノウハウを持ち寄って、住民の健康の維持や促進の実現を目指す。

 大和ハウスが2018年12月に竣工する神奈川県藤沢市の分譲マンションの住民を対象にサービスを提供する。当初約400戸で、合計約900戸の規模。健康アドバイスなどの内容はスマートフォンや住戸のテレビなどで確認できるようになる。同社によるとこうしたAIサービスをマンション住民に提供するのは日本初の試みだという。

 各住戸に1つ、手首に装着するウエアラブルデバイスを無料で配布する。住民がそのデバイスをつけて、生活したり運動したりすることで、その情報を取得して、クラウド上にあるAIシステムに送信する。

深層学習で個別のメニュー提示

 今回、異業種が連携したことで、分析能力を高めたり、提供する運動メニューを大幅に広げたりすることが期待できる。

 ソニーモバイルはウエアラブル端末を開発・提供するほか、ディープラーニング(深層学習)の技術を活用したAIシステムを担当する。AIは住民ごとに適したアドバイスを与えていく。現時点で開発中だが、その住民が長続きする運動メニューを提案したり、目標に対して効果が高い運動メニューを提案したりすることが考えられる。

 スポーツクラブを運営するスポーツクラブNASとも連携する。マンション内にあるエアロバイクやランニングマシンなどの機器を置いたフィットネスジム、敷地内のウォーキングコースの設計で監修を受けた。

 さらに、AI分析の結果、住民により負荷の高い運動が必要と判断した場合は、近くにあるNASの店舗における水泳などのメニューを提案する。水泳であれば高齢者にとっても足への負担を軽くしながら、運動できるなどのメリットがある。

 住民の最初の入居は2019年3月を予定しており、サービス料金などの詳細は未定だ。ただ、こうしたAI機能の追加によってマンション価格が上乗せされることはないという。

 料金は現時点では未定だが、当初の1~2年間は大和ハウス側で負担し、その後は管理費で徴収していく考えだ。ただ、AI対応のフィットネスアプリの多くは無償で提供されており、あまりに高い値付けは難しいだろう。また、家族で活用する場合などに必要となる、2つ目以降のウェアラブル端末は住民が市販品を購入する。NASスポーツクラブの料金についても別途支払う必要がある。

 大和ハウスにとっては、個人のプロファイルと健康状態の学習データが蓄積していくことで、マンションに対して「健康になれる」という新たな付加価値を提供できるようになる。

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