インテージホールディングスのグループ企業で、ヘルスケア関連調査のアンテリオ(東京都千代田区)は、調査事業の基幹システムを刷新して利用者層を広げている。調査項目の機動的な変更ができるようになり、顧客の要望に応えやすくなった。

 アンテリオはモニターとして登録している医師に、医薬品の印象や担当者の説明の適切さなどのアンケートを自主企画し、集計・分析結果を約40社の製薬会社に提供している。例えば、ある医薬品について、「訪問したMR(医薬情報担当者)の説明は適切であったかどうか」といった調査を実施し、結果を分析している。

 利用する製薬会社は、分析画面を通じて結果を確認し、さらに掘り下げて分析もできる。

 医師はサービスによって4000~2万人が登録。Webベースで依頼して、週次で集計して結果を提供している。新システムでは週次や月次以外に任意の期間で集計・分析できるようにして、症例の少ない地方や希な病気でも分析できるようにした。

 アンテリオは2007年にインテージの傘下に入った。インテージから移管したものもあわせて主に5つのサービスを運用しているが、それぞれシステムが違っていた。

 最大の課題がアンケート設計の柔軟性だった。医薬品の業界は規制の変更や競争環境の変化が激しいため「アンケートで聞きたい項目や定義などが頻繁に変わる」(ファーマ・ソリューション事業部の佐藤暢章ソリューション開発部長)という。しかし従来のアンケートシステムは定点観測が主体で、項目を頻繁に変更することを想定していない。例えば、質問を1個追加するだけでも作業に1年間かかることがあった。影響範囲の特定が難しいからだ。

 そこで5つのシステムをクラウド基盤を活用して統合した。具体的には、データの抽出・加工・入力のETLツールとして「ASTERIA WARP」(インフォテリア)を採用。集計サーバー「Dr.Sum」(ウイングアーク1st、東京都渋谷区)にデータを集約することにした。また、エンドユーザーである製薬会社の担当者にはBIツール「Motion Board」(同)で分析結果を提供する。

最大4分の1の期間で変更可能に

 アンケート項目などの変更作業は、従来の4分の1の3カ月以内で対応できるようになった。社内体制の属人性も解消できた。5つのサービスを異なるメンバーが担当していたが、相互に開発できるようになった。「これまで8割の労力が運用だったが、今は新規に半分を割ける」(佐藤部長)。

 顧客側のメリットもある。複数サービスを利用するユーザーが、同一のインターフェースで分析できるようになった。「データ分析の専門家ではない、営業やマーケティング部門、経営者でも分析できる。利用者の層が広がるほか、情報を直接タイムリーに届けられる」(佐藤部長)。2015年初頭から顧客での本格活用が始まっている。BIツールの使いやすさを訴求して、利用者を分析の初心者にも拡大させていく。

アンテリオはアンケートの集計・分析システムをオープン化し、市場の要求を反映しやすくした
アンテリオはアンケートの集計・分析システムをオープン化し、市場の要求を反映しやすくした
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