ファッションアプリ「iQON」を開発・提供するVASILY(東京都渋谷区)は人工知能(AI)などを活用したサービスの高度化を急ぐ。昨年にデータサイエンスチームを立ち上げ、AIでお薦めコーディネートを自動作成する機能などを開発する。

 iQONは、約1万1000ブランドの約100万商品のファッションアイテムの情報を見たり、アイテムを組み合わせてコーディネート写真を作成したりして楽しむファッションアプリだ(PC版も提供)。これまで作成されたコーディネート数は230万件超、会員数は200万人以上という。

 昨年7月、データサイエンティストの金田卓士氏が入社してチームが発足。4月に3人体制となる。

 「これまでユーザー数の急伸に伴ってiQON事業は成長してきたが、その規模が大きくなり、サービスのわずかな改善でも(iQON経由の通販や広告収入に)大きな効果が得られる段階になった。また、アパレル業界からはAIを使ったアイテム提案をしたいという要望が高まっている」

 金田氏は、データサイエンスチーム発足、強化の背景をこう語る。

ディープラーニングで商品画像を自動判別

 現在はディープラーニングを使った商品の自動分類の開発を進めている。従来は商品情報を収集して、各サイトとiQONの商品分類を対応させるルールを作ったり人手を活用したりして分類してきた。それでは、先方の商品カテゴリーの変更に柔軟に対応できなかったり、情報反映に時間がかかったりしていた。

 そこで、商品テキストの形態素解析や商品写真のディープラーニングによる分析で自動的にカテゴリー分類する機能の開発を進めている。既にセーター、ニット帽など一部のカテゴリーのテストでは99.7%など高い認識精度を実証できている。

 また、レコメンド機能の開発も進めている。商品アイテム・ブランドの情報に、自然言語処理をするための統計モデルであるトピックモデルを適用して、ファッションブランドを、「青山・表参道系」「セレクトショップ系」などにグルーピング。気に入ったアイテムやブランドへの「LIKE」情報などからユーザーの好みを推定して、優先して表示する商品アイテムをカスタマイズする。

 こうした機能などから、お薦めコーディネートをユーザー別に自動作成することを目指す。iQONへの実装だけでなく、アパレルブランドなどへの機能提供も想定している。三越伊勢丹にファッション向けAIアプリ「SENSY」を提供するカラフル・ボード(東京都渋谷区)など競合もあり、ファッション分野でのAI活用が活性化しそうだ。

ディープラーニングを用いた商品画像のカテゴリー判定を実現
ディープラーニングを用いた商品画像のカテゴリー判定を実現