オリックス自動車の企業向けテレマティクスサービス「e-テレマ」の契約数が好調な推移を見せている。直近の契約台数が12万台を超えており、2年間で1.5倍以上となっている。運送業など緑ナンバーの車両向けに運行記録に対応したサービスも開発しており、2016年から本格的に展開する。

 契約車は弁当箱程度の大きさの車載端末を取り付けて、運転時間や走行距離、加速度や減速度、アイドリング時間、燃料情報、車両位置などを携帯電話網経由でサーバーに送信。毎月の定期レポートだけでなくリアルタイムで警告を与える。1台当たり通信費込みで月額3000円(税抜き)で利用できる。

 2010年にコンサルタントの人員を倍増させ、最終成果である事故削減の支援を強化してきた。同社によると速度超過や急加速、急減速をしているドライバーは明らかに事故を起こしやすい。約5000人の対象者のデータを1年分分析したところ、事故を起こしたドライバーは速度超過回数が1.45倍。急加速や急減速の回数も同様の数値を示している。

 これらのデータを基に運用面での改善を助言する。例えば、搭載車が設定した速度を超えると、あらかじめ指定したメールアドレスに警告を送信する機能があるが、「車両管理の総務部門ではなく、直属の上司に警告メールを送り、直接指摘をしてもらう。直接指導して、振る舞いを変えてもらうのが重要」(オリックス自動車リスクコンサルティング部上級コンサルタントの竹村成史部長)。実際、ある産業用機械の製造業では速度超過の回数が99%、事故件数が62%減った。

“ランキング”徹底で事故7割減

 ある化学製品の卸売業ではメールでの警告に加えて、個人名入りで最高速度ランキング、部署別の速度超過台数の一覧を週次で公表。加えて月次で急加減速、長時間アイドリングの個人ランキングも公表。KPI(重要業績評価指標)である速度超過の回数が3割減などの効果が出た。急加速にいたっては半減した。最終成果と言える、事故件数は7割減り、それに伴って自動車保険の割引率も35ポイント改善した。

「e-テレマ」を導入した化学製品卸売業における成果
「e-テレマ」を導入した化学製品卸売業における成果

 事故の削減以外にも、アイドリングや急加速をやめることによる燃費の改善や、位置情報を取得した地図日報の作成といったメリットもある。ある飲食料品製造業では燃費を5年間で48%改善したという。

 2015年には運行データを記録するデジタルタコグラフ機能を搭載した新端末を投入しており、今年から本格的な搭載が始まる。昨年4月、7トン以上の事業用貨物自動車の新車に搭載が義務づけられたことに対応し、顧客の拡大を図っている。

 新機能としてバック時の速度超過をメールで警告するようにした。「バック時は時速5キロだと実は速過ぎて、3キロ程度に抑えることで、実際に事故を減らせる」(竹村氏)。バックでの事故は倉庫などの構内で多いが、700台の車両を持つある企業はバック事故がゼロの月も実現しているという。

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