パナソニック コンシューマーマーケティングは、データ活用に基づく法人向け健康支援サービスの構想を明らかにした。まずは2016年4月から12月にかけて、パナソニックグループの支部や事業所から希望を募って、実証実験を検討している。

 「実証実験を行う支部や事業所と話し合う中で、従業員が健康的な生活を送るためにどんなデータを活用すればいいか、どんなサービスを提供したらいいか考えていく。実証実験を通じてニーズを吸い上げたい」と、eコマースビジネスユニット サービス・ソリューション事業グループ事業推進チームの増田健二チームリーダーは、実証実験の狙いについて説明する。なお、現段階で、実験対象の支部や事業所はまだ決まっていない。

スマホのアプリでデータ収集

ランニングや睡眠など様々な活動を記録できるスマートフォン用アプリ「Lyfe It」の画面
ランニングや睡眠など様々な活動を記録できるスマートフォン用アプリ「Lyfe It」の画面

 同社は2月16日、歩いた時間や歩数、睡眠時間などを記録できるスマートフォン用アプリ「Lyfe It」の提供を開始した。同アプリに記録したデータは24時間時計の上に表示できる。また、ウエアラブル端末の「Jawbone」や「Fitbit」といった活動量計などのデータも収集でき、様々なデータの見える化が可能だ。

 今のところ実証実験では、「Lyfe Itをそのまま使うことは想定していない。事業所の要望を聞いたうえで、カスタマイズした別のアプリを用意する。ただし、結果としてLyfe Itを使うことになる可能性もある」(増田氏)と言う。

 パナソニックが実証実験に踏み切る背景には、健康寿命を延ばして医療費を減らしていきたいという国の方針がある。厚生労働省は「健康寿命を延ばし、健康格差を縮小する」など5つの基本的な方向を示し、具体的な目標(53項目)を掲げている。それを受けて、企業などの健康保険組合は、組合員が健康的な生活を送れるようにイベントを開催したり、サイトを立ち上げたり、様々な活動に取り組んでいる。

スマートフォン用アプリ「Lyfe It」の睡眠の記録画面
スマートフォン用アプリ「Lyfe It」の睡眠の記録画面

 今回検討している実証実験は、アプリを使い日々の睡眠時間や運動量を見える化するだけでなく、チャレンジ目標を設定し、その達成度を確認できるようにして「健康を維持するには何が大切なのか、気づきを与えられたらいい。今回の実験で健保組合が持っている組合員のレセプトデータや健診データも活用するかどうかは未定」と、増田氏は話す。

 ただ、健診データがあれば、その人の健康状態が把握でき、レセプトデータがあれば、「どんな治療を受けているのか」「どんな薬を処方されているのか」といったことが分かる。

 こうしたデータがあれば、ある健康状態の人が数年後にどんな病気になったのか、傾向を見ることができる。そして、どういう生活をしたら、その健康状態を向上・維持できるのか、過去の統計データ(社内外のデータ)に基づいて傾向を示すことができると見込む。

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